アルコール過剰摂取は髪によくない?
お酒の髪への影響を考える際、大切なのは「適量」の重要性です。
適度な飲酒は問題ありませんが、飲み過ぎは髪の毛の発育によくありません。
アルコールの過剰摂取は発毛メカニズムに悪影響を与え、薄毛や抜け毛の原因になることがあります。
具体的に見ていきましょう。
①髪とアルコール代謝の関係を知ろう
髪とアルコールの関係性を理解するために、まずアルコールの体内での働きを知ることが重要です。
肝臓でアルコールが分解される際、有害なアセトアルデヒドに変化し、最終的には無害な酢酸に変換されます。
このアルコールを分解する時に、髪の毛の主成分であるケラチンを構成する「シスチン」や「メチオニン」が消費されるため、多量の飲酒は髪の成長に悪影響を及ぼすと言われているのです。
②アルコールと腸での栄養吸収
アルコールが腸での栄養素の吸収を阻害することにも注意が必要です。
これにより、髪の成長に必要な栄養素が不足し、薄毛の原因につながることがあります。
以下、過度な飲酒によって腸での吸収効率が落ちる髪に大切な栄養素の例を挙げます。
・ビタミンA :皮膚や粘膜を丈夫にして頭皮の乾燥を防ぐ
・ビタミンB群 :毛母細胞の分裂をサポート(髪の成長に寄与)、頭皮の皮脂分泌量をコントロール(頭皮の乾燥を守る)、頭皮を含め、皮膚の新陳代謝の活性化などに寄与
・ビタミンC :ビタミンEの吸収をサポートし、抗酸化作用によって動脈硬化を防ぐ
・ビタミンE : 抗酸化作用によって血流を良くし、血管の保護に寄与
・亜鉛 :アミノ酸を再合成してケラチンを作ることに貢献
・ 葉酸 :赤血球の生産を助ける、タンパク質の合成を促進
③アセトアルデヒドとDHT(髪の健康に及ぼす影響)
アルコールの分解過程で生成される「アセトアルデヒド」は有害物質であり、肝臓での分解が必要です。
しかし、アルコール摂取が過剰な場合、肝臓がアセトアルデヒドを完全に分解できず、体内を巡ることになります。
この分解できなかったアセトアルデヒドが、悪玉男性ホルモンDHTの量を増加させると言われています。
DHTは頭皮のヘアサイクルに影響を与え、薄毛や抜け毛の進行を引き起こす可能性があります。
肝機能が正常な場合はアセトアルデヒドによるDHTの増加は起こりませんが、過度なアルコール摂取は髪の毛の成長を妨げるだけでなく、薄毛進行を促進する可能性があるため、注意が必要です。
④糖質過剰と肥満
アルコールに含まれる糖質やカロリーは種類によって異なります。
糖質オフや無糖のものを選べばリスクは少なくなりますが、気をつけないとついつい手が伸びるおつまみや甘いものは、糖分や中性脂肪の過剰摂取につながってしまいます。
健康のためにも、バランスの取れた飲酒を心がけましょう。
以下は、お酒の種類による糖質やカロリー量の違いをまとめた表です。
| お酒の種類 | 分量 | 糖質量 | カロリー量 |
| 焼酎(乙類) | 1/2杯(100ml)| 0g | 146kcal |
| 焼酎(甲類) | 1/2杯(100ml)| 0g | 206kcal |
| ウィスキー | 1/3杯(60ml) | 0g | 135kcal |
| ブランデー | 1/3杯(60ml) | 0g | 135kcal |
| 梅酒 | 1杯(200ml) | 41g | 324kcal |
| スイートワイン| 1杯(180ml) | 24g | 248kcal |
| ビール | 中ジョッキ1杯(500ml)| 15g | 203kcal |
⑤お酒の効果とリスクはバランスが肝心
記事監修
「神奈川・湘南・鎌倉の女性薄毛(FAGA)はルートへ」
院長 清水弘太郎
プロフィール
略歴
三重大学 医学部医学科卒業
桑名市総合医療センター 初期臨床研修 修了
三重大学病院 さいたま市立病院 形成外科 勤務
大手AGAクリニックA 勤務
大手AGAクリニックB 勤務
専門医・所属学会
日本毛髪科学協会 毛髪診断士
厚生労働省 麻酔科標榜医
日本形成外科学会 正会員