帽子で薄毛にならないために

はじめに

 

今回は、気になる帽子と薄毛の関係についてお答えしたいと思います。

薄毛を気にされている方の中には、「帽子を被っていると髪に悪影響があるのかな?」と思われる方もいるかもしれません。

「蒸れたりして薄毛になりそう…」「雑菌が繁殖してよくないって聞いた」などのお声を、薄毛の診療で患者さんから聞いたりします。

この記事を見ている人は「毎日帽子を被ったせいで薄毛になった」「帽子をかぶると頭皮に良くない」など、
帽子と薄毛にまつわるエピソードを1回は聞いたことがあるかと思います。

もはや都市伝説のようになっているこの話は、実際のところはどうなのでしょうか。

 

そこで今回は、薄毛と帽子との間には関連性はあるのか、帽子が頭皮にどのような影響があるのかということを、医学的な知見をもって解説いたします。

 

帽子が薄毛を促進する!?その真相とは

 

まず結論から言ってしまうと、「帽子は薄毛に直接的な原因にはならないが、間接的な原因にはなりうる」ということです。

男性の薄毛(AGA)の原因は活性化男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)によることがほとんどですし、
女性の薄毛(FAGA)の原因はホルモンバランスの乱れなど他の要因が潜んでいることが多いです。

しかし帽子によって頭皮の異常が起こることもあるので、これが間接的な原因にはなりうるということです。

続いて、帽子が頭皮や髪に影響を与えうる原因を挙げていきます。

 

1.増殖した常在菌による、頭皮環境の悪化

人間の皮膚には、皮膚を健康に保つ役割の常在菌が健康な人でもいて、その数は100億以上とも言われます。

頭皮は皮脂を分泌することで乾燥を防ぐ機能が備わっていますが、その皮脂の分泌が多くなりすぎると、常在菌のバランスが崩れてしまいます。

常在菌は皮脂をエサにして繁殖しますが、この常在菌が増えすぎてしまうと頭皮が炎症を起こしてしまい、「脂漏性皮膚炎」を発症することがあります。
脂漏性皮膚炎になると、患部は赤みを帯び、やや黄色味を帯びた湿り気があるフケ、または乾燥した鱗のようなフケが出ます。

この、脂漏性皮膚炎はマラセチア菌というカビの1種である常在菌が増殖することによって起こります。
マラセチアが皮脂に含まれる成分「トリグリセド」を遊離脂肪酸へと分解し、その遊離脂肪酸による皮膚への刺激が、皮膚炎の原因になっていると考えられています。
脂漏性皮膚炎になってしまった人は、マラセチアのコントロールのためにケトコナゾールが入ったシャンプーを使用して治療します。

こうならないためにも、外出時に帽子をかぶる場合は帰宅後にしっかりと髪と頭皮をを洗うことが重要です(帽子自体の洗濯も忘れずに)。

▶︎脂漏性皮膚炎についてのコラムはこちらから

 

2.帽子による頭皮への血行不良

帽子は何も着用していない時と比べて頭皮を圧迫している状態とも言えます。
特に、密着度の高いタイプや少し小さいサイズのキャップを着用すると、頭皮の血行が悪くなる可能性があります。

実は髪の成長には良好な血流がが欠かせません。
髪を作っている毛母細胞に酸素や栄養を良好な血流を維持してしっかりと届けることが重要で、実際喫煙者や糖尿病患者では頭皮の血流が低下することにより、薄毛になりやすいのは有名な話です。
実際、AGA治療薬には血管を広げる作用のある成分が含まれています。

そのため、帽子を着用することで血行がどれだけ悪くなるかは議論の余地がありますが、長時間の締め付けや圧迫は避けた方が良いでしょう。

 

薄毛を引き起こさないための帽子の被り方

 

薄毛が気になる方は、帽子を被って人目を気にしないようにしたいと思う方が多いでしょう。
ですので適切な帽子の被り方について、注意すべきポイントを整理してみます。

 

帽子のサイズに気を付ける

サイズの小さいものや留め具をきつく結ぶなどは、頭皮の血流を悪くしている可能性があります。
着用する際にはサイズにゆとりを持つようにしましょう。

長時間の着用を避ける

どうしても帽子を1日中着用しなければならない方もいらっしゃると思いますが、長時間着用し続けると頭皮の圧迫で血流も悪くなりますし、汗をかいて放置してしまうと脂漏性皮膚炎になる可能性もあります。
着用時間が長くなる時は、こまめに脱いで適時髪の分け目を変えるなど髪と頭皮に負担が掛からない様に気を付けましょう。

頭皮を清潔に保つ

帽子をかぶる人は、かぶらない人より、脂漏性皮膚炎などの頭皮環境の悪化をおこしやすくなってしまいます。
頭皮が蒸れると皮脂を餌にして常在菌が異常繁殖して、頭皮の環境が悪化します。
帽子を被って汗を書いたら汗をふき取ったり、帰宅後にしっかりと髪や頭皮を洗って清潔な状態に保ちましょう。
また、帽子には汚れや菌が付着するので、定期的に手洗いや洗濯を行いましょう。

 

薄毛に悩んだらAGAクリニックへ

 

これまで、帽子の被り方についての注意点をお伝えしてきました。

薄毛のお悩みは、女性にとっても大きな問題だと思います。
FAGA・AGAは、クリニックで治療することが可能です。

弊院では、無料のカウンセリングも随時行っていますので、気軽にご相談ください。
あなたの髪の悩みを解決するお手伝いをさせていただきます。

 

 

記事監修

「神奈川・湘南・鎌倉の女性薄毛(FAGA)はルートへ」

ルートレディースAGAクリニック

院長 清水弘太郎

プロフィール

略歴

三重大学 医学部医学科卒業
桑名市総合医療センター 初期臨床研修 修了
三重大学病院 さいたま市立病院 形成外科 勤務
大手AGAクリニックA 勤務
大手AGAクリニックB 勤務

専門医・所属学会

日本毛髪科学協会 毛髪診断士
厚生労働省 麻酔科標榜医
日本形成外科学会 正会員