AGA(男性型脱毛症)とは?
原因と治療を薄毛専門の医師が解説
はじめに
弊院は女性専門の薄毛治療クリニックですが、「男性の薄毛ってどういう仕組みなの?」「旦那が薄毛で困ってて…」などのお声もいただくことから、このコラムでは男性の薄毛であるAGAについて解説していきます。
AGAの定義と特徴
AGAは、Androgenetic Alopeciaの略で、活性化男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の影響によって起こる脱毛症です。特徴として、生え際の後退や頭頂部の薄毛が徐々に進行します。AGAは進行性のため、早期の対策が重要です。
AGAは、男性特有の脱毛症であり、思春期以降に発症することが一般的です。発症年齢や進行の速度には個人差があり、20代から薄毛が気になる人もいれば、40代以降に徐々に進行する人もいます。日本人の成人男性の約3人に1人がAGAを発症すると言われています。見た目の印象を大きく左右するため、精神的な苦痛を感じる方も少なくありません。
AGAは自然に治ることはありません。放置すると徐々に進行し、薄毛が目立つようになります。そのため、早期に専門医に相談し、適切な治療を受けることが重要です。治療法には、内服薬、外用薬、植毛などがあり、症状や進行度合いに合わせて選択されます。早期に治療を開始することで、薄毛の進行を遅らせ、改善効果を高めることが期待できます。
AGAのセルフチェックポイント
以下の項目に当てはまるものがあれば、AGAの可能性があります。
・抜け毛が増えた
・髪の毛が細くなってきた
・生え際が後退してきた
・頭頂部の地肌が目立つようになった
気になる場合は、専門のクリニックで診断を受けることをおすすめします。
抜け毛の量が増えたと感じる場合、特にシャンプー時やブラッシング時に大量の毛が抜ける場合は注意が必要です。また、抜けた毛が以前よりも細く、短くなっている場合もAGAの兆候かもしれません。生え際が後退してきた、額が広くなってきたと感じる場合もAGAの可能性があります。頭頂部の髪の毛が薄くなり、地肌が透けて見えるようになってきた場合も注意が必要です。これらの症状が一つでも当てはまる場合は、AGAの可能性を考慮し、早めに専門の医師に相談することをおすすめします。自己判断で放置せずに、専門家の診断を受けることが大切です。
AGAの進行パターン
AGAの進行パターンは人それぞれですが、一般的にM字型、O字型、U字型などがあります。AGAの進行度合いをステージ1からステージ7まで分類したものである、ハミルトン・ノーウッド分類を用いることで、AGAの進行度合いを把握することができます(下記図参照)
7型が一番進んだ状態ですが、ここまで進行すると薄毛部分の毛根はかなりダメージを受けている場合が多いです。
M字型は、生え際の両側が後退していくパターンで、アルファベットの「M」のような形になるのが特徴です。O字型は、頭頂部が円形に薄くなっていくパターンで、アルファベットの「O」のような形になるのが特徴です。U字型は、生え際全体が後退していくパターンで、アルファベットの「U」のような形になるのが特徴です。
AGAの原因とメカニズム
AGAの主な原因
AGAの主な原因は、活性型男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)です。DHTは、5αリダクターゼという酵素によってテストステロンから変換され、毛乳頭細胞に作用してヘアサイクルを乱します。
テストステロンは、男性ホルモンの一種で、筋肉の発達や性機能の維持に重要な役割を果たします。しかし、テストステロンが5αリダクターゼという酵素によってDHTに変換されると、AGAの原因となります。DHTは、毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体と結合し、様々な影響を与えます。このDHTによる作用が、AGAのメカニズムにおいて重要な役割を果たしています。
5αリダクターゼには、I型とII型があり、AGAに関与するのは主にII型です。II型5αリダクターゼは、前立腺や頭皮の毛乳頭細胞に多く存在しています。この酵素の活性が高いほど、テストステロンからDHTへの変換が進み、AGAのリスクが高まると考えられています。
ヘアサイクル(毛周期)の乱れ
AGAによってヘアサイクル(毛周期)が短縮されると、髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちてしまいます。その結果、髪の毛が細く短くなり、薄毛が進行します。
正常なヘアサイクルは、成長期、退行期、休止期の3つの段階から構成されています。成長期は、髪の毛が成長する期間で、通常2年から6年程度続きます。退行期は、成長が止まり、毛包が縮小する期間で、約2週間程度続きます。休止期は、髪の毛が抜け落ちるまでの期間で、約3ヶ月程度続きます。AGAになると、この成長期が短縮され、数ヶ月から1年程度に短くなってしまいます。その結果、髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちてしまい、細く短い毛ばかりが生えてくるようになります。
ヘアサイクルの乱れは、AGAの最も重要なメカニズムの一つです。正常なヘアサイクルを取り戻すことが、AGA治療の重要な目標となります。
遺伝的要因とAGA
AGAは遺伝的要因も大きく影響します。5αリダクターゼの活性度や男性ホルモンの感受性は、遺伝によって左右されることがあります。
AGAの発症には、遺伝的な要素が深く関わっていると考えられています。特に、5αリダクターゼの活性度や、男性ホルモン受容体の感受性は、遺伝によって個人差が大きいことが知られています。5αリダクターゼの活性が高い人は、テストステロンからDHTへの変換が促進されやすく、AGAを発症するリスクが高まります。また、男性ホルモン受容体の感受性が高い人は、DHTの影響を受けやすく、AGAが進行しやすいと考えられています。
AGAは、父親や祖父が薄毛の場合、自身もAGAを発症する可能性が高くなると言われています。しかし、遺伝的要因だけでAGAが発症するわけではありません。生活習慣やストレスなどもAGAの発症に関与するため、注意が必要です。
AGAの治療法
内服薬による治療
AGA治療の代表的な内服薬には、フィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ)があります。これらの薬は、5αリダクターゼの働きを阻害し、DHTの生成を抑制することで、抜け毛を予防します。
フィナステリドは、II型5αリダクターゼを選択的に阻害する薬です。一方、デュタステリドは、I型とII型の両方の5αリダクターゼを阻害する薬です。そのため、デュタステリドの方が、フィナステリドよりもDHTの抑制効果が高いと言われています。しかし、副作用のリスクも高くなる可能性があるため、医師と相談して適切な薬を選択することが重要です。
これらの内服薬は、AGAの進行を遅らせる効果が期待できますが、効果を実感するまでには時間がかかる場合があります。一般的に、3ヶ月から半年程度の継続的な服用が必要です。また、服用を中止すると、再びAGAが進行する可能性があるため、継続的な治療が推奨されます。
外用薬による治療
ミノキシジルは、血管拡張作用があり、頭皮の血行を促進することで発毛を促します。外用薬として、リアップなどの製品が市販されています。
ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発されましたが、副作用として発毛効果が認められたことから、AGA治療薬として使用されるようになりました。ミノキシジルの作用機序は完全には解明されていませんが、血管拡張作用によって頭皮の血行を促進し、毛乳頭細胞に栄養を供給することで、発毛を促すと考えられています。
ミノキシジルは、外用薬として、様々な濃度の製品が市販されています。一般的に、濃度が高いほど効果も高いですが、副作用のリスクも高まる可能性があります。そのため、医師や薬剤師に相談し、適切な濃度の製品を選択することが重要です。外用薬は、頭皮に直接塗布することで効果を発揮します。
自毛植毛
自毛植毛は、自分の髪の毛を薄毛部分に移植する治療法です。AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の毛髪を移植するため、定着すれば半永久的な効果が期待できます。
自毛植毛は、自身の毛髪を使用するため、拒絶反応のリスクが低いというメリットがあります。また、移植した毛髪は、AGAの影響を受けにくいため、定着すれば半永久的に生え続けることが期待できます。自毛植毛には、FUT法とFUE法の2つの方法があります。FUT法は、後頭部から皮膚の一部を切り取り、そこから株分けして移植する方法です。FUE法は、後頭部から一本ずつ毛包を採取し、移植する方法です。
自毛植毛は、外科的な手術を伴うため、リスクや費用も考慮する必要があります。事前に医師とよく相談し、自身に合った方法を選択することが重要です。
AGA治療の注意点
治療期間と効果
AGA治療は、効果を実感するまでに時間がかかる場合があります。一般的に、内服薬や外用薬の効果が現れるまでには、3ヶ月から半年程度の期間が必要です。根気強く治療を続けることが大切です。
AGA治療は、すぐに効果が現れるものではありません。毛周期の関係で、効果を実感するまでに時間がかかることを理解しておく必要があります。内服薬や外用薬の効果が現れ始めるのは、一般的に3ヶ月から半年程度と言われています。しかし、個人差があり、効果が現れるまでの期間は異なります。焦らずに、根気強く治療を続けることが大切です。途中で諦めてしまうと、効果を実感することができなくなってしまいます。
また、治療効果を最大限に引き出すためには、医師の指示に従い、適切な用法・用量を守ることが重要です。自己判断で薬の量を増やしたり、服用を中止したりすることは避けましょう。
副作用のリスク
AGA治療薬には、副作用のリスクも伴います。フィナステリドやデュタステリドの場合、性機能障害や肝機能障害などが報告されています。ミノキシジルの場合、頭皮のかゆみや発疹などが起こることがあります。治療を受ける際には、医師とよく相談し、副作用について理解しておくことが重要です。
フィナステリドやデュタステリドの副作用としては、性欲減退、勃起不全、精液量の減少などの性機能障害が報告されています。また、肝機能障害を引き起こす可能性もあります。ミノキシジルの副作用としては、頭皮のかゆみ、発疹、赤み、多毛症などが報告されています。これらの副作用は、必ずしも全ての人に起こるわけではありませんが、治療を受ける際には、これらのリスクを理解しておく必要があります。
副作用が現れた場合は、自己判断で服用を中止せずに、すぐに医師に相談することが大切です。医師は、副作用の程度や症状に応じて、薬の量を調整したり、別の薬に変更したりするなどの対応を行います。
費用について
AGA治療は、保険適用外となるため、費用は全額自己負担となります。治療法やクリニックによって費用は異なりますが、内服薬の場合、月々数千円から数万円程度が目安となります。植毛の場合は、数十万円から数百万円かかることもあります。事前に費用を確認し、予算に合わせて治療計画を立てることが大切です。
AGA治療は、自由診療となるため、クリニックによって費用が大きく異なります。内服薬の場合、ジェネリック医薬品を選択することで、費用を抑えることができます。植毛の場合、移植する株数や方法によって費用が大きく異なります。事前に複数のクリニックでカウンセリングを受け、見積もりを取ることをおすすめします。また、AGA治療専門のクリニックでは、分割払いや医療ローンを利用できる場合もあります。
費用だけでなく、クリニックの信頼性や医師の経験なども考慮して、総合的に判断することが重要です。
まとめ
AGAは進行性の脱毛症ですが、適切な治療を行うことで進行を遅らせたり、発毛を促したりすることができます。早期に専門のクリニックを受診し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。
AGAは、早期に治療を開始することが重要です。自己判断で放置せずに、専門医に相談し、適切な治療を受けることで、薄毛の進行を遅らせ、改善効果を高めることが期待できます。専門のクリニックでは、様々な治療法を提供しており、患者一人ひとりの症状や希望に合わせて、最適な治療プランを提案してくれます。まずは、無料カウンセリングを受けて、専門医に相談してみることをおすすめします。
また、生活習慣の改善もAGAの進行を遅らせるために重要です。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。禁煙や節酒もAGA対策として有効です。
記事監修
「神奈川・湘南・鎌倉・藤沢・横浜の女性薄毛(FAGA)はルートへ」
院長 清水弘太郎
プロフィール
略歴
三重大学 医学部医学科卒業
桑名市総合医療センター 初期臨床研修 修了
三重大学病院 さいたま市立病院 形成外科 勤務
大手AGAクリニックA 勤務
大手AGAクリニックB 勤務
専門医・所属学会
日本毛髪科学協会 毛髪診断士
厚生労働省 麻酔科標榜医
日本形成外科学会 正会員