白髪のメカニズムを理解しよう
はじめに
「最近白髪が増えてきたけどこれって治るの?」
「白髪の生える仕組みを知りたい!」
薄毛治療を行っていると、こんなお声をよくいただきます。
そこで本日は白髪の仕組みとできる対策方法についてお伝えしようと思います。
白髪が生える仕組み
白髪は、髪の毛のメラニン色素が減少または消失することで生じます。メラニンは、髪の毛に色を与えるだけでなく、紫外線から髪を守る役割も担っています。メラニン色素の生成には、メラノサイトと呼ばれる細胞が重要な役割を果たしています。毛を黒くする役割のあるメラノサイトは、毛根にある毛母細胞の近くに存在し、チロシンというアミノ酸を原料としてメラニン色素を生成します。このメラニン色素が、髪の毛に色を与え、黒髪や茶髪など、人それぞれの髪の色を生み出します。しかし、加齢や遺伝、生活習慣などの要因によって、メラノサイトの機能が低下したり、メラニン色素の生成が阻害されたりすると、白髪が生えてくるのです。
メラニンの役割とその不足原因
メラニンは、髪の毛の色を決めるだけでなく、紫外線から髪を守る役割も担っています。メラニンが不足すると、髪は紫外線に弱くなり、ダメージを受けやすくなります。また、メラニンは、髪の毛の強度やハリ、コシを保つ役割も担っています。メラニンが不足すると、髪は細く、弱くなり、切れやすくなる可能性があります。メラニン不足の原因としては、加齢、遺伝、生活習慣、ストレス、栄養不足などが挙げられます。
白髪の主な原因
遺伝が与える影響
白髪は、遺伝的な要素が大きく影響するとされています。両親や祖父母が若いうちに白髪が生えていた場合、自分も白髪が生えやすい傾向があります。遺伝によって、メラノサイトの機能やメラニン色素の生成能力が異なり、白髪が生えやすくなることがあります。しかし、遺伝的な要素だけで白髪が生えるわけではなく、生活習慣や環境などの後天的な要因も大きく影響します。
加齢による変化
加齢は、白髪が生える最も一般的な原因の一つです。年齢を重ねるにつれて、メラノサイトの機能が低下し、メラニン色素の生成量が減少します。そのため、髪の毛の色が薄くなり、白髪が生えてくるのです。加齢によって、メラノサイトの数が減ったり、メラノサイトの活動が鈍ったりすることが原因と考えられています。また、加齢に伴い、体の代謝が低下することも、メラニン色素の生成に影響を与えるとされています。
生活習慣が白髪を招く
食生活の影響
食生活は、髪の健康に大きく影響します。バランスの取れた食事を心がけることが、白髪予防に重要です。特に、タンパク質、ビタミンB群、亜鉛、銅などの栄養素は、メラニン色素の生成に欠かせません。タンパク質は、髪の毛の主成分であるケラチンを構成する重要な栄養素です。ビタミンB群は、メラニン色素の生成を促進する役割を担っています。亜鉛は、メラノサイトの活動を活性化させる効果があります。銅は、メラニン色素の生成に必要な酵素の働きを助ける役割を担っています。これらの栄養素をバランス良く摂取することで、メラニン色素の生成を促進し、白髪予防に役立ちます。
睡眠不足と白髪の関係
睡眠不足は、様々な体の機能に悪影響を及ぼすことが知られていますが、白髪にも関係している可能性があります。睡眠不足は、ストレスホルモンの分泌を増加させ、メラノサイトの活動を抑制する可能性があります。また、睡眠不足は、免疫力の低下にもつながり、白髪が生えやすくなる可能性も指摘されています。十分な睡眠をとることで、ストレスホルモンの分泌を抑え、メラノサイトの活動を活性化させ、免疫力を高めることができます。白髪予防のためには、質の高い睡眠を十分に取るように心がけましょう。
ストレスが引き起こす白髪
ストレスは、白髪を促進する要因の一つとして知られています。ストレスを感じると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。コルチゾールは、メラノサイトの活動を抑制し、メラニン色素の生成を阻害する効果があります。また、ストレスは、免疫力の低下にもつながり、白髪が生えやすくなる可能性があります。ストレスをため込まないように、ストレス解消法を取り入れ、心身のリラックスを心がけることが大切です。
白髪は予防できるのか?
生活習慣の見直し
白髪は、遺伝的な要素も大きいですが、生活習慣を見直すことで、その進行を遅らせることができます。バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠をとり、ストレスをため込まないようにしましょう。また、禁煙や適度な運動も、白髪予防に効果的です。禁煙は、血行を改善し、頭皮への栄養供給を促進します。適度な運動は、ストレス解消効果があり、血行促進にも役立ちます。
食事で白髪対策
白髪予防には、メラニン色素の生成に必要な栄養素を積極的に摂取することが重要です。タンパク質、ビタミンB群、亜鉛、銅などの栄養素を豊富に含む食材を意識して食事に取り入れましょう。タンパク質を多く含む食材としては、肉、魚、卵、大豆製品などが挙げられます。ビタミンB群を多く含む食材としては、豚肉、レバー、納豆、海苔などが挙げられます。亜鉛を多く含む食材としては、牡蠣、牛肉、レバー、大豆製品などが挙げられます。銅を多く含む食材としては、レバー、きのこ、ナッツ類などが挙げられます。これらの食材をバランス良く摂取することで、メラニン色素の生成を促進し、白髪予防に役立ちます。
白髪改善のためのセルフケア
頭皮マッサージの効果
頭皮マッサージは、血行を促進し、頭皮への栄養供給を改善することで、白髪予防に効果が期待できます。頭皮マッサージは、指の腹を使って、円を描くように優しくマッサージします。頭皮全体をくまなくマッサージすることで、血行が促進され、頭皮の環境が改善されます。また、頭皮マッサージは、リラックス効果も期待できます。ストレスは、白髪を促進する要因の一つなので、頭皮マッサージでリラックスすることで、白髪予防に役立ちます。
ヘアケア製品の選び方
白髪予防には、頭皮に優しいヘアケア製品を選ぶことが重要です。市販のシャンプーやコンディショナーの中には、頭皮に刺激を与える成分が含まれているものもあります。頭皮に刺激を与える成分は、メラノサイトの活動を阻害し、白髪を促進する可能性があります。白髪予防には、無添加、低刺激のシャンプーやコンディショナーを選びましょう。また、頭皮に潤いを与える成分配合のヘアケア製品を選ぶこともおすすめです。
まとめ
白髪は、加齢や遺伝、生活習慣など、様々な要因によって生じます。白髪を予防するためには、バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠をとり、ストレスを避けることが大切です。白髪は、一度生えてしまうと、元に戻すことは難しいですが、適切なケアを続けることで、その進行を遅らせることができます。
記事監修
「神奈川・湘南・鎌倉の女性薄毛(FAGA)はルートへ」
院長 清水弘太郎
プロフィール
略歴
三重大学 医学部医学科卒業
桑名市総合医療センター 初期臨床研修 修了
三重大学病院 さいたま市立病院 形成外科 勤務
大手AGAクリニックA 勤務
大手AGAクリニックB 勤務
専門医・所属学会
日本毛髪科学協会 毛髪診断士
厚生労働省 麻酔科標榜医
日本形成外科学会 正会員