女性の薄毛治療専門クリニック | ルートレディースAGAクリニック»髪の構造を知って薄毛治療の理解を深めよう!薄毛専門の医師が解説

髪の構造を知って薄毛治療の理解を深めよう!薄毛専門の医師が解説

執筆者

清水弘太郎

院長

清水弘太郎

「神奈川・湘南・鎌倉・藤沢・横浜の女性薄毛(FAGA)はルートへ」

略歴

三重大学 医学部医学科卒業
桑名市総合医療センター 初期臨床研修 修了
三重大学病院 さいたま市立病院 形成外科 勤務
大手AGAクリニックA 勤務
大手AGAクリニックB 勤務

専門医・所属学会

日本毛髪科学協会 毛髪診断士
厚生労働省 麻酔科標榜医
日本形成外科学会 正会員

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はじめに

 

髪のお悩みを抱えている方は、まず髪の毛がどういった構造でできているのかを知るところから始めると薄毛治療の仕組みがよく分かるようになります。

今回は髪の毛の構造がどうなっているのかを詳しく解説していきたいと思います。

 

 

髪の構造

 

髪の毛はタンパク質でできており、キューティクル・コルテックス・メデュラの3層構造になっています。では詳しく解説していきます。

 

ケラチンとは

 

髪の毛は主にケラチンというタンパク質で構成されており、この成分が髪の強度や弾力に関係しています。ケラチンは、アミノ酸が鎖状に結合したタンパク質で、髪の毛の約80%を占めています。ケラチンは、システインというアミノ酸を多く含んでおり、システインの硫黄原子が結合することで、髪の毛に強度と弾力を与えています。ケラチンは、髪の毛の成長や健康に重要な役割を果たしており、ケラチンの量や質が、髪の毛の質に大きく影響します。ケラチンは、紫外線や熱、化学物質などの外的要因によってダメージを受けやすく、ダメージを受けると、髪の毛はパサつき、切れ毛、枝毛、そしてカラーやパーマのダメージを受けやすくなります。そのため、ケラチンを保護することは、美しい髪を保つために非常に重要です。

 

キューティクルの役割

 

キューティクルは、髪の毛の外側を覆っている層で、髪の保護膜として機能します。それにより、髪を外的ダメージから守る重要な役割があります。キューティクルは、重なり合った薄い細胞層で構成されており、鱗状の構造をしています。この鱗状の構造が、髪の表面を覆うことで、摩擦や水分蒸発を防ぎ、髪内部の水分や栄養を保持する役割を果たしています。キューティクルの健康状態は、髪のツヤや滑らかさ、そしてダメージを受けにくさに大きく影響します。キューティクルが傷つくと、髪の表面がザラザラになり、パサつきや広がり、切れ毛などの原因となります。そのため、キューティクルを保護することは、美しい髪を保つために非常に重要です。

 

コルテックスの役割

 

コルテックスは、髪の毛の内部を構成しており、髪の色や弾力、強度に関わる部分です。この層は、髪の主要な構造的成分です。コルテックスは先述のケラチンでできており、このケラチン繊維が互いに結合することで、髪の強度や弾力を生み出しています。また、コルテックスにはメラニン色素が含まれており、これが髪の毛の色を決定します。コルテックスは、キューティクルによって保護されていますが、外的ダメージや化学処理によって傷つきやすい部分でもあります。コルテックスが傷つくと、髪の毛はパサつき、切れ毛、枝毛、そしてカラーやパーマのダメージを受けやすくなります。そのため、コルテックスを健康に保つことは、髪の美しさと健康を維持するために不可欠です。

 

メデュラの役割

 

メデュラは、髪の中心に位置する層で、髪の厚さや密度に影響を与えます。この層は一部の毛髪にのみ存在します。メデュラは、空洞状の構造をしており、内部には空気や脂肪などが含まれています。メデュラは、髪の毛の強度や弾力には直接的な影響を与えませんが、髪の毛の厚みや密度に影響を与えることで、髪の見た目に影響を与えます。メデュラは、髪の毛の成長や健康には直接的な役割を果たしていませんが、髪の毛の構造を理解する上で重要な要素です。

 

 

髪の成長とヘアサイクル

 

毛髪の成長の仕組み

 

毛髪の成長は毛根から始まります(下図参照)。毛根にある毛乳頭から栄養を供給され、細胞分裂が活発に行われることで毛髪が伸びます。毛乳頭は、毛根の最下部に位置する小さな組織で、毛細血管が豊富に分布しており、毛髪に必要な栄養素や酸素を供給しています。毛乳頭から供給された栄養素は、毛母細胞に届けられ、毛母細胞は活発に細胞分裂を行い、新しい毛髪を生成します。毛母細胞は、毛髪の成長に不可欠な細胞であり、毛母細胞の活動が活発であればあるほど、髪の毛は健康的に成長します。毛母細胞の活動は、年齢やホルモンバランス、栄養状態、ストレスなど様々な要因によって影響を受けます。

 

 

ヘアサイクルの仕組み

 

毛髪は成長期、退行期、休止期の三つのヘアサイクル(毛周期)を繰り返しています(下図参照)。このサイクルにより、新陳代謝が行われます。成長期は、毛髪が活発に成長する期間で、通常2~6年ほど続きます。この期間中は、毛母細胞が活発に細胞分裂を行い、毛髪が伸び続けます。退行期は、成長期が終わり、毛髪の成長が止まる期間で、約3週間ほど続きます。この期間中は、毛母細胞の活動が低下し、毛髪の成長が止まります。休止期は、毛髪が成長を停止し、毛根から抜け落ちる期間で、約3~5ヶ月ほど続きます。休止期が終わると、再び成長期が始まり、新しい毛髪が成長します。ヘアサイクルは、毛髪の種類や年齢、健康状態などによって異なります。また、ホルモンバランスやストレスなどの要因によっても影響を受けることがあります。

ヘアサイクルについての詳しい記事はこちらから

 

 

日常のヘアケアと健康的な髪

 

毎日のヘアケアが髪の健康に大きく影響します。正しい洗髪方法や栄養の摂取が重要です。洗髪は、頭皮の汚れや皮脂を落とすだけでなく、髪の毛のキューティクルを整え、健康な状態を保つために重要です。正しい洗髪方法としては、ぬるま湯で頭皮と髪を十分に濡らし、シャンプーを泡立てて頭皮を優しくマッサージするように洗うことが大切です。洗い流す際は、ぬるま湯で丁寧に洗い流し、シャンプーが残らないように注意しましょう。また、髪の毛の摩擦を防ぐために、タオルでゴシゴシ擦るのではなく、優しく押さえるように水分を吸い取るようにしましょう。栄養面では、髪の毛の成長に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取することが重要です。特に、タンパク質は髪の毛の主成分であるケラチンを構成する重要な栄養素です。また、ビタミンB群は、毛母細胞の活動を促進し、髪の毛の成長を助ける効果があります。ミネラルは、髪の毛の強度や弾力を維持するのに役立ちます。これらの栄養素をバランス良く摂取することで、健康的な髪を育むことができます。

 

髪の健康を保つためのケア方法

 

適切なシャンプーの選び方

 

髪質や頭皮の状態に合ったシャンプーを選ぶことが髪の健康には重要です。成分表示をチェックして、刺激の少ないものを選びましょう。シャンプーは、洗浄成分、保湿成分、その他成分など様々な成分が配合されています。洗浄成分は、頭皮の汚れや皮脂を落とす役割を担いますが、洗浄力が強すぎると、頭皮の必要な油分まで洗い流してしまうことがあります。そのため、自分の髪質や頭皮の状態に合った洗浄力のシャンプーを選ぶことが大切です。例えば、乾燥しやすい髪や頭皮には、アミノ酸系シャンプーなど、洗浄力がマイルドなシャンプーがおすすめです。また、脂性肌や頭皮には、洗浄力が強いシャンプーが適しています。保湿成分は、髪の毛や頭皮に潤いを与える役割を担います。乾燥しやすい髪や頭皮には、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が配合されたシャンプーを選びましょう。その他成分には、髪の毛のダメージを修復する成分や、頭皮の血行を促進する成分など、様々な成分が配合されています。自分の髪質や頭皮の状態に合ったシャンプーを選ぶことで、髪の健康を維持することができます。

 

 

トリートメントの重要性

 

トリートメントは髪に必要な栄養を補給し、ダメージを修復する効果があります。髪の内部まで浸透するタイプを選びましょう。トリートメントは、シャンプーで洗い流した後に使用するもので、髪の毛に栄養を補給し、ダメージを修復する効果があります。トリートメントには、様々な種類がありますが、髪の内部まで浸透するタイプがおすすめです。髪の内部まで浸透することで、ダメージを受けたキューティクルを修復し、髪の毛に潤いを与え、ツヤや滑らかさを出す効果があります。トリートメントは、週に1~2回程度使用するのがおすすめです。ただし、トリートメントを使用しすぎると、髪の毛が重く感じる場合があるので、自分の髪質や状態に合わせて使用頻度を調整しましょう。

 

定期的なヘアカット

 

髪の毛のダメージを最小限に抑えるためにも、定期的なヘアカットが推奨されます。特に枝毛や切れ毛の予防になります。髪の毛は、日々ダメージを受けています。紫外線や摩擦、熱などによって、髪の毛は傷つき、枝毛や切れ毛が発生します。枝毛や切れ毛は、そのまま放置すると、さらにダメージが進行し、髪の毛がパサつき、切れやすくなる原因となります。そのため、定期的にヘアカットを行い、ダメージを受けた部分をカットすることで、髪の毛のダメージを最小限に抑え、健康な状態を保つことができます。ヘアカットの頻度は、髪の毛の成長速度やダメージの程度によって異なりますが、一般的には、2~3ヶ月に1回程度がおすすめです。

 

 

髪の知識を深めるために

 

髪に影響を与える外的要因

 

紫外線や化学物質、熱などは髪にダメージを与える外的要因です。日常的なケアがこれらの影響を軽減します。紫外線は、髪の毛のケラチンを分解し、ダメージを与える原因となります。また、紫外線は、髪の毛の色素を退色させる原因にもなります。そのため、紫外線から髪を守るためには、帽子や日傘などを活用したり、紫外線カット効果のあるヘアケア製品を使用したりすることが大切です。化学物質は、髪の毛のケラチンを傷つけ、ダメージを与える原因となります。パーマやカラーなどの化学処理は、髪の毛に大きな負担をかけるため、できるだけ控えたり、ダメージを最小限に抑えるためのケアを心がけたりすることが大切です。熱は、髪の毛の水分を奪い、ダメージを与える原因となります。ドライヤーやヘアアイロンなどの熱器具を使用する際は、低温で短時間使用したり、熱から髪を守るためのヘアケア製品を使用したりすることが大切です。

 

髪の健康をサポートする栄養素

 

ビタミンやミネラル、プロテインなど髪の健康に直接影響する栄養素を日々の食事から摂取することが大切です。ビタミンB群は、毛母細胞の活動を促進し、髪の毛の成長を助ける効果があります。ビタミンB群は、肉類、魚介類、卵、乳製品、野菜などに多く含まれています。ビタミンCは、コラーゲンの生成を助ける効果があり、髪の毛の強度を維持するのに役立ちます。ビタミンCは、果物や野菜などに多く含まれています。ビタミンEは、抗酸化作用があり、髪の毛のダメージを防ぐ効果があります。ビタミンEは、ナッツ類、種子類、植物油などに多く含まれています。ミネラルは、髪の毛の強度や弾力を維持するのに役立ちます。亜鉛は、ケラチンの生成を助ける効果があり、髪の毛の成長を促進します。亜鉛は、牡蠣、牛肉、豚肉、大豆などに多く含まれています。鉄は、髪の毛に酸素を供給する役割を担い、髪の毛の健康を維持するのに役立ちます。鉄は、レバー、赤身の肉、魚介類、ほうれん草などに多く含まれています。プロテインは、髪の毛の主成分であるケラチンを構成する重要な栄養素です。プロテインは、肉類、魚介類、卵、乳製品、大豆製品などに多く含まれています。これらの栄養素をバランス良く摂取することで、健康的な髪を育むことができます。

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まとめ

 

この記事では、髪の毛の基本構造や成長サイクル、健康を保つためのケア方法について詳しく解説しました。正しい知識を持つことで、より健康で美しい髪を保つことができます。ぜひ実践してみてください。髪の毛は、私たちの体の大切な一部であり、健康な髪は、自信と美しさを与えてくれます。髪の毛の構造や成長サイクル、そして健康を保つためのケア方法について理解することで、より健康で美しい髪を育むことができます。日々のヘアケアを大切にし、健康的な髪を手に入れましょう。