はじめに
一見関係ないように見える「薄毛」と「睡眠」。実は、この2つは密接に関わっています。
このコラムでは、良好な睡眠をとることで薄毛が改善できる可能性なども含めて解説していきますので、最後まで読んでいただけると幸いです。
睡眠と薄毛の関係
睡眠のメカニズムと毛の成長
睡眠は、単に休息をとる時間ではありません。私たちの身体は睡眠中に、臓器を休息させたり細胞を修復したり、成長ホルモンを分泌するなど、様々な重要な働きを行っています。特に、髪の成長に深く関わる成長ホルモンは、睡眠中に最も多く分泌されます。この成長ホルモンは、髪の毛の成長を促進し、健康な髪を維持する上で重要な役割を担っています。つまり、質の高い睡眠は、髪の健康を保つために欠かせない要素と言えるのです。
成長ホルモンの重要性
成長ホルモンは、睡眠中に分泌されるホルモンの一つで、身体の成長や修復、細胞の再生を促進する働きがあります。髪の毛の成長においても、成長ホルモンは重要な役割を果たしており、毛根細胞の分裂を促し、髪の毛の成長を促進します。成長ホルモンの分泌量は、年齢や睡眠時間、睡眠の質によって大きく変化します。成長ホルモンの分泌タイミングは下記のように考えられています。
- 就寝後、最初の深い睡眠サイクル(通常就寝後1時間以内)で分泌される。
- 午後10時から午前2時の間が最も分泌のピーク
- 1日の中で最も多く分泌されるのは夜間の睡眠中
- 特に、深い眠りであるノンレム睡眠の第3段階(徐波睡眠)で最も多く分泌される。
睡眠不足が引き起こす髪への影響
睡眠不足は、成長ホルモンの分泌量を減らし、髪の成長を阻害するだけでなく、様々な悪影響を及ぼします。睡眠不足によって、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が増加し、毛根細胞の活動を抑制してしまうことがあります。また、睡眠不足は免疫力の低下にも繋がり、頭皮環境が悪化し、抜け毛や薄毛を悪化させる可能性も高まります。さらに、睡眠不足は、自律神経の乱れを引き起こし、頭皮の血行不良や栄養不足にも繋がることがあります。これらの要因が複合的に作用することで、抜け毛や薄毛が進行してしまうのです。
良質な睡眠を取るための習慣
就寝前に避けるべきこと
睡眠の質を高めるためには、就寝前に以下のことを避けるようにしましょう。
・カフェインやアルコールの摂取:カフェインやアルコールは、睡眠を妨げる作用があります。就寝前にコーヒーや紅茶、アルコールを摂取すると、眠りが浅くなったり、途中で目が覚めてしまったりすることがあります。
・スマホやパソコンの使用:スマホやパソコンから発せられるブルーライトは、体内時計を狂わせる可能性があります。就寝前にスマホやパソコンを使用すると、なかなか眠れなくなったり、睡眠の質が低下したりすることがあります。就寝の1時間前には、スマホやパソコンの使用を控え、リラックスできる時間を過ごすようにしましょう。
・激しい運動:就寝前に激しい運動を行うと、身体が興奮状態になり、なかなか眠れなくなってしまいます。就寝前の運動は、軽いストレッチやヨガなど、リラックス効果のあるものを選びましょう。
・食事:就寝前に食事をすると、消化器官が活発に働き、睡眠の質が低下する可能性があります。就寝の2~3時間前には食事を終え、消化器官を休ませるようにしましょう。
・熱いお風呂:就寝前に熱いお風呂に入ると、身体が温まりすぎて、なかなか眠れなくなってしまいます。ぬるめのお湯でゆっくりと湯船に浸かり、身体をリラックスさせましょう。
睡眠環境の整え方
快適な睡眠環境を整えることも、質の高い睡眠を得るために重要です。
・室温と湿度:寝室の温度は、18~24℃が理想的です。また、湿度は50~60%が適切です。室温が高すぎると、寝苦しくなり、睡眠の質が低下します。逆に、低すぎると、身体が冷えてしまい、眠りが浅くなることがあります。加湿器や除湿機などを活用して、快適な室温と湿度を保ちましょう。
・照明:寝室の照明は、暗すぎず、明るすぎない程度が理想です。就寝前に照明を暗くすることで、体内時計を整え、スムーズに眠りにつけます。また、夜中に目が覚めてしまった場合でも、暗闇に目が慣れていれば、再び眠りにつきやすくなります。
・音:寝室は静かな環境であることが重要です。騒音は睡眠を妨げ、質を低下させる原因となります。耳栓や遮音カーテンなどを活用して、騒音を遮断しましょう。
朝の習慣が睡眠の質に影響を与える
朝の習慣は、夜の睡眠の質に大きく影響を与えます。
* 朝日を浴びる:朝起きたら、カーテンを開けて朝日を浴びましょう。朝日を浴びることで、体内時計がリセットされ、体内時計が整います。体内時計が整うことで、夜にスムーズに眠りにつけます。
*朝食を食べる:朝食は、1日の活動のエネルギー源となるだけでなく、体内時計を整える効果もあります。朝食を食べることで、体内時計がリセットされ、夜にスムーズに眠りにつけます。
*軽い運動: 朝の軽い運動は、身体を覚醒させ、血行を促進する効果があります。軽い運動をすることで、心身ともにリラックスし、質の高い睡眠を得やすくなります。
薄毛対策に効果的な睡眠リズム
理想的な睡眠パターン
薄毛対策には、質の高い睡眠だけでなく、睡眠時間や睡眠リズムも重要です。理想的な睡眠時間は、個人差がありますが、一般的には7~8時間と言われています。睡眠時間は、年齢や体力、生活習慣によって異なりますので、自分に合った睡眠時間を確保するようにしましょう。
また、睡眠リズムを整えることも大切です。毎日同じ時間に起床し、同じ時間に就寝することで、体内時計が整い、質の高い睡眠を得やすくなります。睡眠リズムを整えるためには、週末でも遅くまで寝ないように心がけましょう。
悪い習慣を改善するコツ
薄毛に繋がる悪い習慣を改善するためには、以下のポイントを意識しましょう。
* 不規則な生活:不規則な生活は、体内時計を乱し、睡眠の質を低下させます。毎日同じ時間に起床し、同じ時間に就寝するなど、規則正しい生活を心がけましょう。
* 過度な飲酒:過度な飲酒は、睡眠の質を低下させ、成長ホルモンの分泌を抑制します。飲酒は控え、特に就寝前の飲酒は避けましょう。
* 喫煙:喫煙は、血行不良を引き起こし、頭皮環境を悪化させます。また、睡眠の質を低下させる原因にもなります。禁煙することで、髪の健康だけでなく、心身の健康にも良い影響を与えます。
*ストレス: ストレスは、様々な身体の機能に悪影響を及ぼし、薄毛の原因にもなります。ストレスを溜め込まず、適度な運動や趣味などで発散しましょう。
睡眠時間と育毛効果の関係
睡眠時間と育毛効果には、密接な関係があります。十分な睡眠時間を取ることで、成長ホルモンの分泌が促進され、髪の成長を促進します。しかし、睡眠時間が長すぎても、逆に身体の代謝が低下し、髪の成長を阻害する可能性があります。自分に合った睡眠時間を確保し、質の高い睡眠を心がけましょう。
睡眠改善と生活習慣の見直し
生活習慣をどう直すべきか
睡眠の質を高めるためには、生活習慣を見直すことも重要です。
* 食事:食生活は、髪の健康に大きく影響を与えます。バランスの取れた食事を心がけ、髪の成長に必要な栄養素を摂取しましょう。特に、タンパク質、ビタミン、ミネラルは、髪の成長に不可欠です。
*運動:適度な運動は、血行を促進し、頭皮環境を改善する効果があります。また、ストレス解消にも役立ちます。運動不足にならないように、毎日30分程度の運動を心がけましょう。
*ストレス管理:ストレスは、薄毛の原因の一つです。ストレスを溜め込まず、適度な運動や趣味などで発散しましょう。また、ストレスを感じやすい状況を避け、リラックスできる時間を確保することも大切です。
ストレス管理の重要性
ストレスは、薄毛に大きな影響を与える要因の一つです。ストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは、毛根細胞の活動を抑制し、抜け毛を促進する作用があります。また、ストレスは、自律神経の乱れを引き起こし、頭皮の血行不良や栄養不足にも繋がります。ストレスを溜め込まず、適度な運動や趣味などで発散することが大切です。
食事が髪に与える影響
食事は、髪の健康を維持するために非常に重要です。髪の毛は、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素から作られています。バランスの取れた食事を心がけ、髪の成長に必要な栄養素を十分に摂取しましょう。
*タンパク質:タンパク質は、髪の毛の主成分であるケラチンを構成する重要な栄養素です。タンパク質が不足すると、髪の毛が細くなったり、抜け毛が増えたりすることがあります。肉、魚、卵、乳製品など、タンパク質を豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。
*ビタミン:ビタミンは、髪の毛の成長を促進し、健康を維持する上で重要な役割を果たします。特に、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEは、髪の毛の健康に効果的です。
*ミネラル: ミネラルは、髪の毛の成長を促進し、健康を維持する上で重要な役割を果たします。特に、亜鉛、鉄、銅は、髪の毛の健康に効果的です。
まとめ:薄毛に効果的な睡眠習慣
睡眠は、髪の健康を維持するために非常に重要です。質の高い睡眠は、成長ホルモンの分泌を促進し、髪の成長を促進します。睡眠不足は、成長ホルモンの分泌を抑制し、抜け毛や薄毛を悪化させる可能性があります。
薄毛対策には、質の高い睡眠だけでなく、睡眠時間や睡眠リズムも重要です。自分に合った睡眠時間を確保し、規則正しい生活を心がけましょう。また、就寝前にカフェインやアルコールを摂取したり、スマホやパソコンを使用したりすることは避けましょう。快適な睡眠環境を整え、リラックスできる時間を過ごすことも大切です。
睡眠の質を高めるためには、生活習慣を見直すことも重要です。バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を行い、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
睡眠は、髪の健康だけでなく、心身の健康にも重要な役割を果たします。質の高い睡眠を心がけ、健康的な生活を送るようにしましょう。
記事監修
「神奈川・湘南・鎌倉・横浜の女性薄毛(FAGA)はルートへ」
院長 清水弘太郎
プロフィール
略歴
三重大学 医学部医学科卒業
桑名市総合医療センター 初期臨床研修 修了
三重大学病院 さいたま市立病院 形成外科 勤務
大手AGAクリニックA 勤務
大手AGAクリニックB 勤務
専門医・所属学会
日本毛髪科学協会 毛髪診断士
厚生労働省 麻酔科標榜医
日本形成外科学会 正会員