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女性の分け目はげ原因8つと改善策【医師執筆】すぐできる対策も

女性の分け目ハゲ原因と改善法を医師が解説

執筆者

清水弘太郎

院長

清水弘太郎

「神奈川・湘南・鎌倉・藤沢・横浜の女性薄毛(FAGA)はルートへ」

略歴

三重大学 医学部医学科卒業
桑名市総合医療センター 初期臨床研修 修了
三重大学病院 さいたま市立病院 形成外科 勤務
大手AGAクリニックA 勤務
大手AGAクリニックB 勤務

専門医・所属学会

日本毛髪科学協会 毛髪診断士
厚生労働省 麻酔科標榜医
日本形成外科学会 正会員

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この記事の結論

  • FAGA(女性男性型脱毛症)が最も一般的な原因で、ホルモンバランス変化・遺伝・ストレスなど8つの要因が影響する
  • 今日からできる対策として分け目位置の変更、正しい頭皮ケア、生活習慣の見直しで改善が可能
  • 根本治療にはミノキシジル外用薬、内服治療、メソセラピーなど医学的根拠のある治療法がある
  • 早期発見・早期対策が改善の鍵となるため、気になる症状があれば薄毛専門クリニックに相談すべき

女性の分け目はげとは?症状の特徴と進行パターン

女性の分け目はげとは、髪の分け目部分の頭皮が透けて見えるようになったり、分け目の幅が広がったりする状態のことを指します。

初期段階では「髪が細くなった」「ハリやコシがなくなった」と感じることが多く、進行すると分け目の幅が明らかに広がり、頭皮が目立つようになります。

この症状を放置すると、分け目だけでなく頭頂部全体の薄毛が進行する可能性があります。

女性の分け目はげを引き起こす8つの原因

女性の分け目はげは、さまざまな要因が複合的に関わって発症します。原因を正しく理解することで、適切な対策や治療法を選択できるため、まずは主な8つの原因について詳しく解説いたします。

1. FAGA(女性男性型脱毛症)

FAGA(Female Androgenetic Alopecia)は、女性の薄毛の最も一般的な原因で、女性ホルモンの減少に伴って男性ホルモンの影響が相対的に強くなることで発症します。特に40代以降の女性に多く見られ、分け目を中心とした頭頂部の薄毛が特徴的です。

エストロゲン(女性ホルモン)には髪の成長を促進し、髪の寿命を延ばす働きがありますが、加齢や更年期によってエストロゲンが減少すると、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの影響で毛髪の成長期が短くなり、髪が細く短くなってしまいます。

2. 産後のホルモンバランス変化

妊娠中は高いレベルを保っていたエストロゲンが、出産後に急激に低下することで一時的な脱毛が起こります。これを分娩後脱毛症といい、通常は産後2〜3ヶ月頃から始まり、6ヶ月〜1年程度で自然に回復することが多いです。

しかし、育児ストレスや睡眠不足、栄養不足などが重なると、回復が遅れたり、分け目はげが目立つようになったりする場合があります。特に高齢出産や複数回の出産を経験した女性では、ホルモンバランスの回復に時間がかかることがあります。

3. 遺伝的要因

遺伝的な要因は女性の薄毛にも大きく影響します。両親や祖父母に薄毛の方がいる場合、薄毛になりやすい体質を受け継いでいる可能性があります。特に、アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)の感受性が高い体質は遺伝しやすく、同じホルモン環境でも薄毛が進行しやすくなります。

ただし、遺伝的要因があっても必ず薄毛になるわけではありません。生活習慣の改善や適切なケア、早期の治療によって症状の進行を大幅に遅らせることができます。

4. 牽引性脱毛症(ヘアスタイルによる負担)

長期間にわたって髪を強く引っ張るヘアスタイルが原因で起こる脱毛症です。ポニーテール、お団子ヘア、編み込み、エクステンションなどを頻繁に行っていると、毛根に持続的な負担がかかり、毛髪が抜けやすくなります。

特に分け目部分は、ヘアスタイルを作る際に力がかかりやすい部位のため、牽引性脱毛症の影響を受けやすい場所です。この場合、ヘアスタイルを変更することで改善が期待できますが、長期間続けていた場合は毛根がダメージを受けて回復が困難になることもあります。

5. ストレス・生活習慣の乱れ

慢性的なストレスや不規則な生活習慣は、ホルモンバランスや血流に悪影響を与え、毛髪の成長サイクルを乱します。ストレスによってコルチゾール(ストレスホルモン)が過剰に分泌されると、毛母細胞の働きが低下し、髪の成長が阻害されます。

また、睡眠不足や運動不足、喫煙、過度な飲酒なども血行不良を引き起こし、毛根への栄養供給を妨げます。特に睡眠は成長ホルモンの分泌に重要で、質の良い睡眠を取ることは健康な毛髪の維持に欠かせません。

6. 紫外線による頭皮ダメージ

紫外線は、分け目部分の頭皮に炎症や酸化ストレスを引き起こし、毛母細胞の健全な機能に悪影響を与える可能性があります 。

さらに、紫外線は毛髪そのもののタンパク質(ケラチン)を直接分解してキューティクルを損傷させるため、髪の強度が低下し、切れ毛やパサつきの直接的な原因となります 。

この頭皮と毛髪への複合的なダメージは、紫外線による休止期脱毛を誘発する可能性も指摘されています 。

7. 栄養不足・血行不良

毛髪の成長には十分な栄養と血流が必要です。特に鉄分、亜鉛、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンDなどの不足は、直接的に毛髪の健康に影響します。過度なダイエットや偏った食生活を続けていると、これらの栄養素が不足し、毛髪が細くなったり抜けやすくなったりします。

また、冷え性や肩こりなどによる血行不良も、頭皮への栄養供給を阻害します。頭皮は体の末端部分にあるため、血行が悪くなると真っ先に影響を受けやすい部位です。

8. 更年期などのホルモン変化

更年期に入ると、エストロゲンの急激な減少により薄毛が進行しやすくなります。一般的に45〜55歳頃に始まる更年期では、女性ホルモンの保護作用が弱くなり、相対的に男性ホルモンの影響が強くなります。

また、甲状腺機能の異常や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの内分泌疾患も、ホルモンバランスを乱し、薄毛の原因となることがあります。これらの場合は、原因となる疾患の治療が薄毛改善の鍵となります。

今日からできる分け目はげの予防・対策法

分け目はげの予防・対策法

分け目はげの改善には、日常生活の中でできる基本的なケアが非常に重要です。専門治療と並行して、または症状が軽微な段階では、これらの対策だけでも十分な効果が期待できます。継続することで頭皮環境を整え、健康な毛髪の成長をサポートしましょう。

生活習慣の見直し

質の良い睡眠と規則正しい生活リズムは、健康な毛髪の基盤となります。毛髪の成長に重要な成長ホルモンは、入眠後の最初の3〜4時間の深い睡眠時に最も多く分泌されるため、良質なまとまった睡眠時間を確保することが大切です。最低でも6〜7時間の睡眠時間を確保し、毎日同じ時間に就寝・起床することを心がけましょう。

ストレス管理も重要な要素です。ヨガ、瞑想、軽い運動、趣味の時間など、自分に合ったストレス解消法を見つけて定期的に実践しましょう。

また、喫煙は血管を収縮させて血行を悪化させるため、できれば禁煙をおすすめします。

適度な運動は血行促進に効果的です。週に2〜3回、30分程度のウォーキングや軽いジョギングから始めてみてください。頭皮への血流改善により、毛根に必要な栄養素を届ける助けになります。

正しい頭皮ケア・シャンプー方法

頭皮を清潔に保ち、適度な刺激を与えることで血行を促進し、毛根の環境を整えましょう。シャンプーは1日1回、夜に行うのが理想的です。シャンプー前にブラッシングで汚れやほこりを落とし、ぬるま湯(38〜40度)で予洗いを十分に行います。

シャンプーは手のひらで泡立ててから頭皮につけ、指の腹を使って優しくマッサージするように洗います。爪を立てたり、強くこすったりするのは頭皮を傷つけるため避けてください。すすぎは洗いの2倍の時間をかけて、シャンプーやコンディショナーが残らないよう丁寧に行いましょう。ドライヤーは頭皮から20cm以上離し、同じ場所に長時間当てないよう注意してください。

髪型の工夫

髪や頭皮に負担をかけないヘアスタイルを選ぶことで、牽引性脱毛症を予防できます。毎日同じ位置で分け目を作ることを避け、定期的に分け目の位置を変えましょう。2〜3日おきに分け目をずらすだけでも、特定の部位への負担を軽減できます。

きついポニーテールやお団子ヘア、編み込みなどは控えめにし、髪を結ぶ際はゆるめに結ぶよう心がけてください。ヘアゴムも細いものより太めのシリコン製やスプリング式のものを選ぶと、髪への負担が少なくなります。

また、ヘアアイロンやパーマなどの化学的・物理的処理は頻度を抑え、使用時は必ずヒートプロテクト剤を使用しましょう。

食事・栄養面での対策

毛髪の材料となるタンパク質と、その合成に必要な栄養素をバランス良く摂取することが重要です。髪の90%以上はケラチンというタンパク質でできているため、良質なタンパク質を毎食摂取しましょう。魚、肉、卵、大豆製品、乳製品などがおすすめです。

特に重要な栄養素として、鉄分(レバー、ほうれん草、ひじき)、亜鉛(牡蠣、ナッツ類、種子類)、ビタミンB群(玄米、豚肉、レバー)、ビタミンD(魚、きのこ類)、ビタミンC(柑橘類、ブロッコリー)を意識的に摂取してください。サプリメントを利用する場合は、医師や薬剤師に相談してから始めることをおすすめします。

分け目はげを目立たなくする応急対策

すぐに分け目はげを目立たなくしたいという方のために、今日からできる即効性のある対策をご紹介します。これらの方法は根本的な治療ではありませんが、外出時やイベント時の自信回復に役立ちます。

分け目の位置を変える

分け目の位置を定期的に変えることで、薄くなった部分を目立たなくできます。いつも同じ位置で分けている方は、まず反対側に分け目を作ってみてください。髪が慣れていない方向に流れるため、根元が立ち上がってボリュームアップ効果が期待できます。

ジグザグ分けも効果的な方法です。コームの先端を使って、分け目を小刻みにジグザグに作ることで、直線的な分け目よりも頭皮の見える面積を減らせます。

また、センター分けから7:3や8:2の横分けに変えることで、ボリュームのある側の髪で薄い部分をカバーできます。

分け目を変える際は、髪が濡れている状態で形を作り、ドライヤーでしっかりと癖をつけることがポイントです。

髪型・スタイリングでのカバー術

レイヤーカットやパーマを活用して、髪全体にボリュームを出すことで分け目はげを目立たなくできます。美容師さんにお悩みを相談し、顔型に合わせたボリュームアップスタイルを提案してもらいましょう。ショートからミディアムレングスの方が、重さで髪がぺたんこになりにくく、ふんわりとした仕上がりを作りやすくなります。

スタイリング剤の使い方も重要です。ボリュームアップスプレーやムースを根元につけてからドライヤーで乾かすと、自然なボリュームが出せます。ワックスやヘアオイルは毛先だけにつけ、根元には付けないよう注意してください。また、逆毛を立てるテクニックも効果的ですが、やりすぎると不自然になるため、軽く空気を含ませる程度に留めましょう。

ヘアアクセサリーの効果的な使い方

ヘアバンドやスカーフ、帽子を上手に活用することで、分け目部分を自然にカバーできます。幅広のヘアバンドは分け目全体を隠せるため、特におすすめです。色は髪色に近いものを選ぶと自然に見えます。

スカーフを頭に巻く方法も、おしゃれと実用性を兼ね備えています。薄手のシルクスカーフを額から後頭部にかけて巻き、サイドで結ぶスタイルは、分け目を完全にカバーしながらエレガントな印象を与えます。

帽子を選ぶ際は、つばの広いものや深めにかぶれるデザインを選び、分け目部分に影を作ることで薄毛を目立たなくできます。

ただし、帽子の長時間着用は頭皮の蒸れや血行不良を招く可能性があるため、適度に外して頭皮を休ませることも大切です。

分け目はげを根本から改善|女性のための治療選択肢

医学的根拠に基づいた治療により、分け目はげの根本的な改善が期待できます。

当クリニックでは、患者様一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせて、最適な治療プランをご提案しています。治療開始前には十分なカウンセリングを行い、効果や副作用について詳しくご説明いたします。

内服薬治療(ミノキシジル・スピロノラクトンなど)

ミノキシジルの内服治療は、血管拡張作用により毛根への血流を改善し、毛髪の成長を促進します。女性の場合、男性よりも低用量(1.25〜2.5mg/日)から開始し、効果と副作用を確認しながら調整していきます。効果が現れるまでには通常3〜6ヶ月程度かかるため、継続的な服用が必要です。

スピロノラクトンは、抗アンドロゲン作用により男性ホルモンの働きを抑制し、女性の薄毛治療に効果的です。特にFAGAの患者様に適応され、1日1回、25〜50mgを服用します。妊娠可能年齢の女性には慎重な適応判断が必要で、定期的な血液検査により肝機能や電解質のモニタリングを行います。

これらの内服薬は医師の診断と処方が必要で、自己判断での使用は避けてください。

外用薬治療(ミノキシジル外用薬など)

ミノキシジル外用薬(1〜2%製剤)は、女性の薄毛治療において第一選択薬として推奨されています。1日2回、気になる部分に直接塗布することで、局所的に血流を改善し、毛母細胞の活性化を促します。内服薬と比較して全身への影響が少ないため、副作用のリスクが低いことが特徴です。

使用方法は、清潔で乾いた頭皮に適量(1回1ml)を塗布し、指の腹で軽くマッサージして浸透させます。使用後は手をよく洗い、目や粘膜に触れないよう注意してください。

初期の2〜4週間は一時的な脱毛(初期脱毛)が起こることがありますが、これは新しい毛髪が成長する準備段階のため、継続使用が重要です。効果判定は最低6ヶ月間の継続使用後に行います。

メソセラピー・注射治療

毛髪再生メソセラピーは、成長因子やミノキシジル、ビタミン、ミネラルなどの有効成分を直接頭皮に注入する治療法です。当クリニックでは、ヒト由来の成長因子を含む製剤を使用し、毛母細胞の活性化と毛髪の再生を促進します。施術は月1〜2回のペースで行い、通常6〜12回のコースで効果を評価します。

施術時間は30分程度で、当日からシャンプーも可能です。メソセラピーは内服薬や外用薬との併用により、相乗効果が期待できます。稀に注射部位の軽い腫れや赤みが生じることがありますが、通常1〜2日で改善します。

まとめ

女性の分け目はげは、FAGA、ホルモンバランスの変化、生活習慣など複数の要因が関わって発症します。症状の程度や原因によって適切な対策は異なりますが、早期に気づいて適切なケアを始めることで、改善の可能性は大きく高まります。

今日からできる対策として、分け目の位置を変える、正しいシャンプー方法の実践、バランスの取れた食事、十分な睡眠などの生活習慣の見直しが重要です。これらは副作用もなく、どなたでも安全に始められる基本的なケアです。

症状が気になる場合や、セルフケアだけでは改善が見られない場合は、専門の医師による診断と治療をおすすめします。ミノキシジル外用薬、内服治療、メソセラピーなどの医学的根拠に基づいた治療により、多くの患者様が改善を実感されています。

ルートレディースAGAクリニックでは、女性の薄毛に特化した経験豊富な医師が、患者様一人ひとりに寄り添った治療を提供しています。お一人で悩まずに、まずはお気軽にご相談ください。適切な診断と治療により、自信を持って毎日を過ごしていただけるよう、全力でサポートいたします。

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