40代女性の薄毛が起こる仕組み
40代女性の薄毛を理解するためには、まず髪の毛の成長サイクル(ヘアサイクル)について知ることが重要です。
正常な髪の毛は「成長期(2〜6年)」「退行期(2〜3週間)」「休止期(2〜3ヶ月)」という3つの段階を繰り返しながら生え変わっています。健康な状態では、髪全体の約85〜90%が成長期にあり、残りの10〜15%が休止期にあります。

しかし40代になると、このヘアサイクルに変化が起こります。女性ホルモン(エストロゲン)の減少により成長期が短縮され、休止期が長期化することで、髪が十分に成長しないまま抜け落ちてしまうのです。
さらに、新しく生えてくる髪の本数も減少し、一本一本の髪も細くなってしまいます。この結果、全体的なボリュームの減少や分け目の目立ちといった症状が現れるのです。
40代女性の薄毛の主な原因5つ
1.更年期によるホルモンバランスの変化
40代女性の薄毛の最も大きな原因は、更年期に伴うエストロゲンの急激な減少です。エストロゲンは髪の成長を促進し、髪の質感を維持する重要な役割を果たしています。具体的には、頭皮の血行を促進して毛根への栄養・酸素供給を改善し、髪の成長期をしっかりと確保する働きがあります。
日本人女性の閉経平均年齢は50歳前後ですが、40歳頃からエストロゲンは徐々に減少を始め、更年期(45〜55歳頃)には急激に低下します。

同時に、これまで抑制されていた男性ホルモンの影響が相対的に強くなることで、男性型脱毛症と同様のメカニズムで薄毛が進行することがあります。
2.加齢による毛髪サイクルの乱れ
年齢を重ねることで、毛母細胞の分裂活動が低下し、髪を作り出す力が弱くなります。
40代になると、新しく生えてくる髪は以前よりも細く、短く、弱いものになってしまいます。これは毛母細胞だけでなく、毛根周辺の毛細血管の数も減少し、一本一本が細く衰えることで栄養の供給が滞るためです。
さらに、加齢によりヘアサイクル全体が変化し、成長期の毛髪の割合が減少して退行期や休止期の毛髪の割合が増加します。これにより、コシのない軟らかい髪の毛が増え、抜ける髪の量に対して新しく生える髪の量が追いつかなくなります。
特に頭部の毛根は生命維持との関連性が薄いため、栄養の供給が後回しにされがちで、この影響を受けやすいのです。
3.生活習慣の影響(食事・睡眠・運動不足)
40代は仕事や家庭での責任が重くなり、自分自身のケアが後回しになりがちな年代です。
不規則な食事や睡眠不足、運動不足といった生活習慣の乱れは、直接的に髪の健康に影響を与えます。髪の主成分であるタンパク質が不足すると、髪を作る材料が足りなくなります。また、鉄分やビタミンD、ビタミンB群、亜鉛などの栄養素の不足も髪の成長を阻害します。
睡眠不足も重大な問題です。髪の成長に必要な成長ホルモンは主に夜間の深い睡眠時に分泌されるため、睡眠の質と量は髪の健康に直結します。
さらに、運動不足による血行不良は、頭皮への栄養供給を妨げ、毛根の活動を低下させます。これらの生活習慣の問題は相互に影響し合い、薄毛を進行させる悪循環を作り出してしまうのです。
4.慢性的なストレスの蓄積
40代女性は、仕事での管理職としての責任、子育て、親の介護、自身の体調変化など多重のストレスを抱える傾向があります。
慢性的なストレスは自律神経系や内分泌系のバランスを乱し、ヘアサイクルに悪影響を与えます。ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌は、髪の成長を阻害し、抜け毛を増加させることが知られています。
さらに、ストレスは血管を収縮させ、頭皮の血行を悪化させます。血行不良により毛根への栄養供給が減少すると、髪の成長が停滞し、細く弱い髪しか作られなくなります。
また、ストレスによる暴飲暴食や睡眠障害は、前述した生活習慣の乱れにもつながり、薄毛の進行を加速させる要因となります。
5.遺伝的要因
女性の薄毛においても、遺伝的要因は無視できない影響を持っています。母親や祖母に薄毛の傾向がある場合、同様の症状が現れるリスクが高くなります。
ただし、男性型脱毛症(AGA)ほど遺伝的要因が強く現れるわけではなく、生活習慣の改善や適切な治療により改善の余地は十分にあります。
遺伝的要因による薄毛の特徴として、髪の質自体が細い、毛量がもともと少ない、ホルモン変化の影響を受けやすいといった傾向があります。
しかし、遺伝的素因があったとしても、それが必ず薄毛として現れるわけではありません。適切なケアと治療により、遺伝的リスクを最小限に抑えることが可能です。早期からの予防的ケアが特に重要となります。
原因別の最適な治療法
当院では詳細な問診により原因を特定し、最適な治療計画を立案いたします。複数の原因が重なる場合は、包括的なアプローチで治療を組み合わせます。
1.ホルモン由来の薄毛に対する治療アプローチ
更年期によるエストロゲン減少が原因の薄毛には、スピロノラクトンによるホルモン調整治療が効果的です。抗男性ホルモン作用により、相対的に強くなった男性ホルモンの影響を抑制し、ヘアサイクルの正常化を図ります。
補助的に、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳)から植物性エストロゲンを摂取することも推奨されます。治療開始から効果実感まで3〜6ヶ月程度かかりますが、継続により着実な改善が期待できます。
2.生活習慣由来の薄毛への改善策
生活習慣の乱れが原因の薄毛には、睡眠・栄養・運動の3つの改善が基本となります。
毎日6時間以上の質の良い睡眠を確保し、髪の材料となるタンパク質を体重1kgあたり1〜1.2g摂取してください。鉄分、亜鉛、ビタミンD、ビタミンB群も意識的に取り入れましょう。
適度な有酸素運動により頭皮の血行促進を図ることも重要です。ウォーキングやジョギングなどの運動を習慣化することで、毛根への栄養供給が改善され、健康な髪の成長をサポートします。
3.ストレス由来の薄毛に対する治療法
慢性的なストレスによる薄毛には、ストレス源の特定と個人に適した対処法の習得が重要です。まず具体的なストレス要因(仕事、家族関係、健康不安など)を明確にし、それぞれに対応した解決策を検討します。
ストレス管理方法は人それぞれ異なるため、ご自身に合った方法を見つけることが大切です。
深呼吸法や瞑想、ヨガなどのリラクゼーション技法が合う方もいれば、友人との会話、読書、音楽鑑賞、散歩、手芸など、心から楽しめる時間を作ることでストレス軽減につながる方もいらっしゃいます。
4.遺伝的要因の薄毛への対処法
遺伝的要因による薄毛には、早期からの予防的ケアと医学的治療の組み合わせが効果的です。家族歴がある方は、症状が現れる前からサプリメントなどによる予防治療を検討します。
生活習慣の改善(禁煙、適度な運動、バランスの良い食事)により遺伝的リスクを大幅に軽減できます。完全な回復は困難でも、適切な治療により進行抑制と部分的な改善は十分に期待できます。
専門クリニックでの治療選択肢
セルフケアだけでは改善が難しい40代女性の薄毛に対して、当院では科学的根拠に基づいた様々な治療をご用意しています。患者様の症状や原因に合わせて最適な治療法を選択し、改善を目指します。
ミノキシジルによる治療(内服薬・外用薬)

ミノキシジル外用薬(塗り薬)
ミノキシジル外用薬は、女性の薄毛治療において最も推奨される治療選択肢の一つです。日本皮膚科学会のガイドラインでも高い評価を受けており、世界中で女性の薄毛治療に使用されている標準的な治療薬です。
頭皮に直接塗布することで、その部位の血流を改善し、毛根に栄養を供給することで発毛を促進します。女性には男性よりも低い濃度(1~2%)が推奨されており、これは過去の研究で女性には低濃度でも十分な効果が得られることが確認されているためです。
起こりうる副作用:湿疹、初期脱毛、動悸、頭痛、多毛症、むくみなど
ミノキシジル内服薬
ミノキシジルは、米国のファルマシア・アップジョン社が1960年代に開発した、高血圧症患者向けの血圧降下剤です。しかし臨床実験中に多毛症の副作用が報告されたため、薄毛治療用に転用されました。
内服薬は外用薬よりも高い効果が期待できますが、全身への作用があるため、医師の厳重な管理のもとで使用する必要があります。
当院では1.25mg、5mg量の取り扱いがあり、患者様の症状や希望に合わせて処方いたします。
起こりうる副作用:初期脱毛、多毛症、動悸、頭痛、むくみなど
スピロノラクトンによるホルモン調整治療

スピロノラクトンは、更年期の女性に特に有効な抗男性ホルモン治療薬です。
もともとはアルドステロン拮抗薬として、むくみや高血圧の改善に使用されていましたが、抗男性ホルモン作用という副作用があることが分かりました。更年期の女性では、女性ホルモンの低下により男性ホルモン濃度が相対的に高くなることでヘアサイクルが乱れて抜け毛が起きます。
スピロノラクトンを内服することで男性ホルモンが抑えられ相対的に女性ホルモンが優位となり、ヘアサイクルが正常化され、抜け毛の予防が期待できます。
特に、ホルモンバランスの変化が主な原因となっている40代女性の薄毛には効果的な治療選択肢となります。
起こりうる副作用:生理不順、頻尿、血中電解質バランスの変化、食欲不振、下痢、便秘、倦怠感など
薄毛治療専用サプリメント

当院では、髪の成長に必要な栄養素を効率的に補給できる薬用サプリメントを取り扱っています。
パントガール
- パントテン酸カルシウム、ビタミンB1、L-シスチン、ケラチンなどを配合
- 髪の構造タンパク質の合成をサポート
起こりうる副作用:胸焼け、腹痛、下痢など
ルグゼバイブ
- パントガールの成分に加え、馬プラセンタを配合
- より高い栄養補給効果が期待できる
起こりうる副作用:胸焼け、腹痛、下痢など
女髪
- 日本人女性向けに開発された薬用サプリメント
- ミレットエキス、亜鉛、ビオチンなど髪に特化した栄養素を配合
起こりうる副作用:胸焼け、腹痛、下痢など
メソセラピー(成長因子・幹細胞培養上清液注入)

メソセラピー(メソガン)は極細の針を一定の深さとスピードで刺入することで痛みを軽減しながら皮膚内に直接薬剤を注入できる治療法です。
当院では、症状に合わせてミノキシジル・成長因子・ヒト幹細胞培養上清液・エクソソームを組み合わせ、お薬を頭皮に直接注入し発毛を促進させます。1ヶ月に1回頭皮に注入します。
当院の幹細胞培養上清液は東京幹細胞センターの高品質なものを使用しています。
起こりうる副作用:頭皮の発赤、疼痛、初期脱毛、多毛症、動悸、頭痛、むくみ、アレルギー症状など
毛髪再生点滴

肌の若返りなどの美容医療でも用いられている、ヒト幹細胞培養上清液・エクソソームの点滴を行うことで、美容と薄毛治療の両方を行うことができます。
起こりうる副作用:免疫反応やアレルギー症状など
治療を始める前に知っておくべきこと
薄毛治療を検討される際には、いくつかの重要なポイントを理解していただく必要があります。まず、薄毛治療は継続的な治療が必要であり、効果を実感するまでには通常3〜6ヶ月程度の期間が必要です。これは毛髪の成長サイクルに合わせた治療であるためで、短期間での劇的な変化を期待することは現実的ではありません。
また、治療効果には個人差があり、原因や進行度、年齢、全身状態などにより結果が異なります。医療広告ガイドラインに基づき、治療効果を保証することはできませんが、適切な診断と治療選択により多くの患者様に改善効果を実感していただいております。治療開始前には、現在の症状、既往歴、使用中の薬剤、アレルギー歴などを詳しくお聞かせいただき、最適な治療計画を立案いたします。
費用面についても事前にしっかりとご説明し、患者様が納得された上で治療を開始いたします。不明な点や不安なことがございましたら、遠慮なくご質問ください。
まとめ
40代女性の薄毛は、更年期によるエストロゲン減少を主な原因とする自然な身体の変化ですが、適切な対策により改善は十分に期待できます。主な原因は、ホルモン減少によるヘアサイクルの乱れ、頭皮の血流悪化、ストレス、毛髪の質の低下です。
まずは生活習慣の改善から始め、質の良い睡眠(6時間以上)と適度な運動、タンパク質・鉄分・ビタミン類の積極的摂取を心がけてください。セルフケアで改善が難しい場合は、専門クリニックでのミノキシジル治療、スピロノラクトン、メソセラピーなどの医学的治療選択肢があります。
早めの対策により予防・改善が可能です。一人で悩まず、正しい知識に基づいた適切なケアで健やかな髪を取り戻しましょう。当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
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