びまん性脱毛症とは?

はじめに

 

女性の薄毛(FAGA・FPHL)には様々なタイプがありますが、その中で比較的よく目にするのが「びまん性脱毛症」ではないでしょうか。
そこで今回はびまん性脱毛症について詳しく解説していきたいと思います。

 

びまん性脱毛症とは?

 

びまん性脱毛症の特徴

実は「びまん性」とは医学用語で、「広く」という意味で、びまん性脱毛症は頭皮の広範囲に脱毛が進んだ状態を指します。びまん性脱毛症は、女性に多く見られる症状で、男性型脱毛症(AGA)とは異なる特徴を持っています。頭頂部を中心に薄くなる場合が多く、男性のAGAのような生え際の薄毛は見られにくいです。また、びまん性脱毛症になる原因は様々です。

 

びまん性脱毛症のメカニズム

びまん性脱毛症は、様々な要因が複合的に作用して起こると考えられており、そのメカニズムは複雑です。主な原因としては、ホルモンバランスの乱れ、内分泌疾患の罹患、ストレス、生活習慣の乱れ、栄養不足、遺伝的要因などが挙げられます。

 

進行速度と初期症状

びまん性脱毛症の進行速度は個人差が大きく、数ヶ月で急速に進行する場合もあれば、数年かけて徐々に進行する場合もありますが、円形脱毛症などと比較するとゆっくりな傾向があります。初期症状は、髪のボリュームが減少することで、髪が細くなる・コシがなくなくなる・頭皮が目立つようになったりすることもあります。また、抜け毛が増えることも初期症状の一つです。

 

FAGAとの違い

FAGA(女性男性型脱毛症)は、びまん性脱毛症の一部と考えられています。FAGAは、男性ホルモンの影響が強く、頭頂部や前頭部の毛髪が薄くなるのが特徴です。一方、びまん性脱毛症は、頭髪全体にわたって毛髪が薄くなるのが特徴です。FAGAとびまん性脱毛症は、症状や原因、治療法が異なるため、専門医による適切な診断が必要です。

 

 

びまん性脱毛症の原因

 

ホルモンバランスの乱れ

女性ホルモンのバランスが崩れることが、びまん性脱毛症の主な原因の一つと考えられています。女性ホルモンは、髪の成長を促進する働きがあります。年齢を重ねるにつれて女性ホルモンの分泌量が減少したり、出産後に女性ホルモンが減少したり、ストレスや生活習慣の乱れによってホルモンバランスが崩れたりすることで、髪の成長が抑制され、脱毛が起こることがあります。特に、妊娠や出産、更年期など、女性ホルモンの分泌量が大きく変化する時期には、びまん性脱毛症が起こりやすくなります。

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ストレスの影響

長期間のストレスは、びまん性脱毛症の一因となることがあります。ストレスによって、自律神経が乱れ、ホルモンバランスが崩れることがあります。また、ストレスによって、毛髪の成長サイクルが乱れることもあります。ストレスは、様々な要因によって引き起こされます。仕事や人間関係、経済的な問題、家族の問題など、様々なストレスが脱毛症を引き起こす可能性があります。

 

生活習慣の悪化

不規則な生活習慣や不適切な食事は、びまん性脱毛症を引き起こす要因となります。睡眠不足や過労、運動不足、喫煙、飲酒など、生活習慣の乱れは、ホルモンバランスを崩したり、免疫力を低下させたりすることで、脱毛症を悪化させる可能性があります。また、栄養バランスの偏った食事は、毛髪に必要な栄養素が不足し、脱毛症を引き起こす可能性があります。特に、タンパク質、鉄分、亜鉛などの栄養素は、毛髪の成長に不可欠です。これらの栄養素が不足すると、髪の成長が阻害され、脱毛が起こることがあります。

 

 

びまん性脱毛症の症状

 

薄毛の範囲と程度

びまん性脱毛症は、頭全体にわたって髪が薄くなるのが特徴です。頭頂部や前頭部だけでなく、側頭部や後頭部など、頭髪のあらゆる部位にわたって脱毛が見られます。脱毛の程度は、軽度から重度まで様々です。軽度の場合には、髪のボリュームが減った程度で、目立つ脱毛はみられません。重度の場合には、頭皮が目立つようになり、髪の毛がほとんど生えていない状態になることもあります。

 

髪質の変化

びまん性脱毛症では、髪の毛が細くなり、コシがなくなることが多いです。髪の毛が細くなることで、ボリュームが減り、頭皮が目立つようになります。また、髪の毛が細くなることで、切れ毛や枝毛が増えることもあります。

 

 

びまん性脱毛症の対策・治療法

 

食生活の見直し

バランスの取れた食事は、びまん性脱毛症の対策になります。特に、タンパク質、鉄分、亜鉛などの栄養素は、毛髪の成長に不可欠です。これらの栄養素を豊富に含む食品を意識して摂取しましょう。タンパク質は、肉、魚、卵、乳製品などに多く含まれています。鉄分は、レバー、ほうれん草、ひじきなどに多く含まれています。亜鉛は、牡蠣、牛肉、ナッツ類などに多く含まれています。また、ビタミンB群も毛髪の成長に重要な役割を果たしています。ビタミンB群は、豚肉、鶏肉、魚、卵、乳製品、野菜などに多く含まれています。

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適切なヘアケア

頭皮マッサージや適切なシャンプーの使用は、びまん性脱毛症の対策に有効です。頭皮マッサージは、血行を促進し、毛根への栄養供給を改善します。また、頭皮マッサージは、頭皮の筋肉をほぐし、頭皮の柔軟性を高める効果もあります。シャンプーは、頭皮に優しい成分配合のものを選びましょう。また、シャンプーの際に、頭皮を優しくマッサージするように洗うと、血行促進効果が期待できます。

 

生活習慣の改善

睡眠や運動など健康的な生活習慣を維持することが、びまん性脱毛症の対策に大切です。睡眠不足は、ホルモンバランスを崩し、脱毛症を悪化させる可能性があります。質の高い睡眠を心がけましょう。また、運動不足は、血行不良を引き起こし、毛根への栄養供給を阻害する可能性があります。適度な運動を心がけましょう。喫煙や飲酒は、毛髪の成長を阻害する可能性があります。禁煙や節酒を心がけましょう。

 

医師の診察を受ける

びまん性脱毛症が疑われる場合は、薄毛治療の専門医師の診断を受けることが大切です。専門医師は、症状や原因を詳しく調べ、適切な治療方法を提案してくれます。びまん性脱毛症の治療には、内服薬、外用薬、メソセラピー、点滴などがあります。内服薬には、ミノキシジルやスピロノラクトンなどがあります。外用薬には、ミノキシジルなどがあります。

 

まとめ

 

びまん性脱毛症は、適切なケアと治療で改善が期待できます。まずは、専門医師に相談し、自分の症状や原因を把握することが大切です。専門医師のアドバイスに従い、適切な治療方法を選び、生活習慣を見直すことで、びまん性脱毛症の改善を目指しましょう。

 

 

記事監修

「神奈川・湘南・鎌倉の女性薄毛(FAGA)はルートへ」

ルートレディースAGAクリニック

 

院長 清水弘太郎

プロフィール

略歴

三重大学 医学部医学科卒業
桑名市総合医療センター 初期臨床研修 修了
三重大学病院 さいたま市立病院 形成外科 勤務
大手AGAクリニックA 勤務
大手AGAクリニックB 勤務

専門医・所属学会

日本毛髪科学協会 毛髪診断士
厚生労働省 麻酔科標榜医
日本形成外科学会 正会員