びまん性脱毛症は、頭髪全体が徐々に薄くなる女性に多い脱毛症です。ホルモンバランスの変化や加齢、ストレスなど複数の原因が絡み合って発症します。
この記事でわかること
- 自分がびまん性脱毛症かどうか
- 何が原因で薄毛になっているのか
- 放っておいても治るのか、治療が必要なのか
- どんな治療法があり、どのくらいで効果が出るのか
- 今日からできるセルフケア
びまん性脱毛症とは

びまん性脱毛症とは、頭髪全体が均一に薄くなっていく脱毛症のことです。「びまん」とは「広がる」という意味で、特定の部位ではなく頭部全体に症状が現れるのが特徴です。
分け目の広がりや髪全体のボリューム低下として自覚されることが多く、女性に多く見られる脱毛症です。
進行が緩やかなため気づきにくい傾向がありますが、放置すると改善が難しくなるケースもあります。早い段階で原因を特定し、適切な対策を取ることが大切です。
びまん性脱毛症の特徴
びまん性脱毛症には、以下のような特徴があります。
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 脱毛範囲 | 頭部全体に均一に広がる |
| 進行速度 | 緩やかに進行し、気づきにくい |
| 主な症状 | 分け目の広がり、髪のボリューム低下、地肌の透け |
| 発症年齢 | 40代以降に増加し、50〜60代でピークを迎える傾向がある |
| 生え際 | 男性型脱毛症と異なり、生え際は比較的保たれる |
女性の薄毛は加齢とともに増加し、閉経前後の40〜50代から相談件数が増える傾向にあります。当院でも、40代〜50代の患者様からのご相談が多くなっています。
初期段階では「髪が細くなった」「ハリやコシがなくなった」といった髪質の変化として現れることが多いです。症状が進行すると、分け目やつむじ周辺の地肌が目立つようになります。
FAGA(FPHL)との違い
びまん性脱毛症とFAGA(女性男性型脱毛症)は混同されやすいですが、厳密には異なります。
| 項目 | びまん性脱毛症 | FAGA(FPHL) |
|---|---|---|
| 定義 | 頭髪全体が薄くなる脱毛症の総称 | 女性ホルモン減少により男性ホルモンの影響が強まる脱毛症 |
| 原因 | ホルモン変化、ストレス、栄養不足など多岐にわたる | 主に女性ホルモンの減少と男性ホルモンの相対的増加 |
| 発症時期 | 年齢を問わず発症する可能性がある | 更年期以降に多い |
| 関係性 | FAGAを含む広い概念 | びまん性脱毛症の一種 |
FAGAはびまん性脱毛症の原因のひとつです。つまり、びまん性脱毛症という大きなカテゴリの中に、FAGAが含まれるという関係になります。
なお、現在の医学界では「FPHL(Female Pattern Hair Loss:女性型脱毛症)」という呼称が国際的に推奨されています。
かつては男性ホルモンの影響が主因と考えられていましたが、女性の薄毛は男性ほどアンドロゲン依存性が明確ではなく、加齢・遺伝・ホルモン変化など複数の要因が絡み合って発症することがわかっています。
男性の薄毛・AGAとの違い
女性が自分の症状を調べる際に、男性向けの情報にたどり着くケースも少なくありません。
しかし、女性のびまん性脱毛症と男性のAGA(男性型脱毛症)では、症状の現れ方や原因、治療法が異なります。

| 項目 | びまん性脱毛症(女性) | AGA(男性) |
|---|---|---|
| 脱毛パターン | 頭部全体が均一に薄くなる | 生え際の後退、頭頂部の局所的な脱毛 |
| 進行の仕方 | 緩やかに全体のボリュームが低下 | M字型やO字型に進行 |
| 完全な脱毛 | まれ | 進行すると完全に毛がなくなることがある |
| 主な原因 | ホルモンバランス、生活習慣、栄養不足など複合的 | 男性ホルモン(DHT)の影響が主因 |
| 治療薬 | ミノキシジル、パントガールなど | フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど |
女性の場合、男性のように特定部位が完全に脱毛することは少なく、全体的なボリュームダウンとして現れます。
男性向けの治療薬の中には女性が使用できないものもあるため、必ず女性の薄毛に対応したクリニックで相談することが大切です。
びまん性脱毛症の主な原因
びまん性脱毛症は、ひとつの原因だけでなく複数の要因が重なって発症することが多い脱毛症です。
ここでは、当院で多くの患者様を診てきた経験から、特に多く見られる6つの原因について解説します。
1.ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモン(エストロゲン)には、髪の成長を促し、ヘアサイクルを正常に保つ働きがあります。このホルモンバランスが乱れると、髪の成長期が短くなり、細く弱い髪が増えたり、抜け毛が増加したりします。
特に以下のタイミングでは、ホルモンバランスの変化により抜け毛が増えやすくなります。
| タイミング | 原因 |
|---|---|
| 出産後 | 妊娠中に増加したエストロゲンが急激に減少し、一時的に抜け毛が増える |
| 生理不順・PMS | ホルモンの分泌リズムが乱れ、髪の成長に影響を与える |
| ピルの服用開始・中止 | 人工的なホルモン変化により、一時的に抜け毛が増えることがある |
出産後やピル中止による抜け毛は、多くの場合自然に回復します。ただし、半年以上続く場合は他の原因が隠れている可能性もあるため、専門の医師への相談をおすすめします。
2.加齢による女性ホルモンの減少
女性ホルモンの分泌量は、30代後半から徐々に減少し始め、40代〜50代の更年期にかけて急激に低下します。

エストロゲンが減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強まり、髪が細くなったり、成長期が短くなったりします。これがFAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれる状態で、びまん性脱毛症の主要な原因のひとつです。
加齢による変化は避けられませんが、適切な治療やケアによって進行を緩やかにすることは可能です。
3.ストレスや睡眠不足
慢性的なストレスは自律神経のバランスを乱し、頭皮の血流を悪化させます。血流が滞ると毛根に十分な栄養が届かなくなり、髪の成長が妨げられます。
また、睡眠不足も薄毛に影響します。髪の成長に関わる成長ホルモンは、主に睡眠中に分泌されます。睡眠時間が短かったり、睡眠の質が悪かったりすると、髪の成長が十分に行われません。
| 要因 | 髪への影響 |
|---|---|
| 慢性的なストレス | 自律神経の乱れ、血行不良による栄養供給の低下 |
| 睡眠不足 | 成長ホルモンの分泌低下、ヘアサイクルの乱れ |

「夜10時〜深夜2時がゴールデンタイム」という説を聞いたことがあるかもしれませんが、最近の研究では「何時に寝るか」より「どれだけ深く眠れるか」が重要だとわかっています。
入眠直後の深い眠り(ノンレム睡眠)で成長ホルモンが分泌されるので、寝る時間より睡眠の質を意識してみてください。
ストレスや睡眠不足だけで急激に薄毛が進行することは少ないですが、他の原因と重なることで症状が悪化しやすくなります。
4.栄養不足・過度なダイエット
髪の主成分であるケラチンは、タンパク質やミネラルなどの栄養素から作られます。これらが不足すると、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりする原因となります。
髪の健康に必要な主な栄養素
| 栄養素 | 役割 | 多く含まれる食品 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 髪の主成分ケラチンの材料 | 肉、魚、卵、大豆製品 |
| 鉄分 | 毛母細胞に酸素を届ける | レバー、ほうれん草、赤身肉 |
| 亜鉛 | ケラチンの合成を助ける | 牡蠣、ナッツ、大豆製品 |
| ビタミンB群 | 細胞の代謝を促進 | 玄米、豚肉、かつお |

実は、薄毛で来院される女性に「隠れ貧血」が見つかることは珍しくありません。健康診断のヘモグロビン値が正常でも、貯蔵鉄(フェリチン)が不足しているケースが非常に多いのです。
20〜40代の日本人女性の約半数がフェリチン値30μg/L以下という報告もあり、鉄欠乏は見逃されがちな薄毛の原因です。
特に注意が必要なのは、過度なダイエットです。急激な体重減少は「休止期脱毛症」を引き起こすことがあり、ダイエット成功の2〜3ヶ月後に突然抜け毛が増えるケースも珍しくありません。
5.誤ったヘアケアや頭皮環境の悪化
日常のヘアケア習慣が、知らず知らずのうちに頭皮や髪にダメージを与えていることがあります。
| 習慣 | 髪や頭皮への影響 |
|---|---|
| 洗浄力の強いシャンプー | 必要な皮脂まで奪い、頭皮の乾燥や炎症を引き起こす |
| すすぎ不足 | シャンプーの成分が残り、毛穴詰まりの原因になる |
| 高温のドライヤー | 頭皮や髪にダメージを与える |
| きつく結ぶ髪型 | 毛根に負担がかかり、牽引性脱毛症の原因になる |
| 頻繁なカラー・パーマ | 薬剤が頭皮にダメージを与え、毛根が弱る |
また、紫外線対策をしていないと、頭皮の老化が進み、薄毛を加速させることがあります。帽子や日傘で頭皮を守ることも大切です。
6.遺伝的な要因
薄毛には遺伝が関係することがありますが、女性の場合、男性ほど遺伝の影響は強くないと考えられています。
女性のびまん性脱毛症は、遺伝だけでなく、ホルモンバランスや生活習慣など複数の要因が絡み合って発症します。そのため、家族に薄毛の方がいるからといって、必ずしも同じように薄毛になるわけではありません。

「母方の祖父が薄毛だから私も…」と心配される方がいらっしゃいますが、女性の薄毛は男性と違い、遺伝だけで決まるものではありません。
遺伝的な素因があっても、早めの対策や適切な治療によって進行を抑えることは十分に可能です。
年代別に見るびまん性脱毛症の傾向
びまん性脱毛症の原因や現れ方は、年代によって異なります。ライフステージごとに体の状態や生活環境が変化するため、それぞれの年代に合った対策が必要です。
当院では40代〜50代の患者様からのご相談が最も多くなっていますが、20代・30代でも症状を感じ始める方は増えています。
20〜30代:生活習慣や産後の影響
20〜30代の薄毛は、生活習慣の乱れや出産が主なきっかけになります。
この年代に多い原因
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| 産後脱毛 | 妊娠中に増加していたエストロゲンが出産後に急減し、一時的に抜け毛が増える |
| 過度なダイエット | 栄養不足により休止期脱毛症を引き起こすことがある |
| 仕事や育児のストレス | 慢性的なストレスが血行不良やホルモンバランスの乱れを招く |
| 不規則な生活 | 睡眠不足や偏った食事が髪の成長を妨げる |
産後脱毛は通常、半年〜1年程度で自然に回復します。ただし、1年以上続く場合や回復が遅い場合は、他の原因が関係している可能性があります。

20〜30代で薄毛を感じる方の中には、「まだ若いから大丈夫」と放置してしまう方が多いです。
しかし、この年代の薄毛は生活習慣の改善や早期治療で回復しやすい傾向があります。気になったときが相談のタイミングです。
40代:ホルモン変化とストレスの複合要因
40代は「プレ更年期」とも呼ばれ、女性ホルモンの分泌が徐々に減少し始める時期です。
この年代に多い原因
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| エストロゲンの減少 | 髪の成長期が短くなり、細い髪が増える |
| 仕事・家庭の両立によるストレス | 責任が増える時期で、慢性的なストレスを抱えやすい |
| 代謝の低下 | 血流が悪くなり、頭皮への栄養供給が滞る |
| 更年期症状の始まり | ほてり、不眠などがストレス要因となる |
40代では、ホルモンの変化に加えて、仕事や家庭の負担が重なることで薄毛が進行しやすくなります。

40代の患者様からは「急に髪のボリュームがなくなった」というご相談が多いです。
この年代はホルモン変化の影響が出始める時期なので、「年だから仕方ない」と諦めず、早めに対策を始めることで進行を抑えられます。
50代以降:更年期・閉経後のリスク
50代以降は、閉経によりエストロゲンが急激に減少し、FAGA(女性男性型脱毛症)の発症リスクが高まる時期です。
この年代に多い原因
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| 閉経によるエストロゲンの急減 | 男性ホルモンの影響が相対的に強まり、薄毛が進行しやすくなる |
| 頭皮の老化 | コラーゲンの減少により頭皮が硬くなり、血流が悪化する |
| 毛母細胞の機能低下 | 新しい髪を作る力が衰え、髪が細くなる |
50代以降の薄毛は進行が早い傾向があるため、セルフケアだけでなく医療機関での治療も視野に入れることをおすすめします。

50代以降でも治療効果は十分に期待できます。
「もう遅いのでは」と思われる方もいらっしゃいますが、実際に治療を始めて髪のボリュームが戻り、自信を取り戻された患者様は大勢いらっしゃいます。年齢で諦める必要はありません。
びまん性脱毛症は自然に治る?
結論からお伝えすると、原因によって自然に回復するケースと、治療が必要なケースに分かれます。
自然回復が期待できるケース
以下のような一時的な原因による薄毛は、原因が解消されれば自然に回復することが多いです。
| 原因 | 回復の目安 |
|---|---|
| 産後脱毛(分娩後脱毛症) | 出産後6ヶ月〜1年程度で自然に回復することが多い |
| 急性のストレスによる脱毛 | ストレス要因が解消されてから3〜6ヶ月程度 |
| 一時的な栄養不足 | 栄養状態が改善されてから3〜6ヶ月程度 |
| 休止期脱毛症 | 原因が取り除かれてから6ヶ月〜1年程度 |
これらのケースでは、生活習慣の改善や時間の経過とともに、ヘアサイクルが正常に戻り、髪が回復していきます。

自然回復が見込める場合でも、治療を行うことで回復を早められるケースがあります。
特に産後脱毛では、「いつ元に戻るかわからない不安」を抱える方が多いので、早めにご相談いただくことで安心感にもつながります。
治療が必要なケース
一方、以下のような原因による薄毛は、自然回復が難しく、専門的な治療が必要です。
| 原因 | 特徴 |
|---|---|
| FAGA(女性男性型脱毛症) | 進行性のため、放置すると徐々に悪化する |
| 慢性びまん性脱毛症 | 原因が複合的で、長期間にわたって症状が続く |
| 甲状腺疾患などの基礎疾患 | 原疾患の治療と並行して対処が必要 |
| 加齢による毛根機能の低下 | 自然回復は難しいが、治療で進行を抑えることは可能 |
特にFAGAは進行性の脱毛症であり、治療せずに放置すると症状が進んでしまいます。早期に治療を開始するほど、改善の可能性が高くなります。
自然回復が難しいサイン
以下のような場合は、早めに専門のクリニックへ相談することをおすすめします。
- 抜け毛や薄毛が6ヶ月以上続いている
- セルフケアを続けても改善しない
- 徐々に症状が悪化している
びまん性脱毛症の治療法
びまん性脱毛症の治療は、主に「抜け毛の進行を抑える薬」と「発毛を促す薬」を組み合わせて行います。症状や進行度に応じて、内服薬・外用薬・注入治療などを選択します。
以下に、女性の薄毛治療で用いられる主な治療法をまとめました。
| 治療法 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 内服薬 | 体の内側から薄毛の進行を抑制、発毛を促進 | 副作用に注意、妊娠中は使用不可のものあり |
| 外用薬 | 頭皮に直接塗布し、毛包に作用して発毛を促す | 頭皮のかぶれ、初期脱毛が起こる可能性 |
| 注入治療 | 発毛成分を頭皮に直接注入し、毛包に働きかける | 複数回の施術が必要(6〜12回が目安) |
※これらの治療はすべて自由診療となり、保険適用外です。
内服薬による治療

内服薬は、体の内側から薄毛にアプローチする方法です。女性の薄毛治療では、主に以下の薬が処方されます。
抜け毛を抑える薬(守りの治療)
| 薬剤名 | 効果 | 主な副作用 |
|---|---|---|
| スピロノラクトン | 男性ホルモンの影響を抑え、抜け毛を防ぐ | 生理不順、頻尿、むくみ、倦怠感など |
| パントガール | 髪の成長に必要な栄養素を補給し、脱毛を改善 | 胃の不快感、腹痛など(発生頻度は低い) |
発毛を促す薬(攻めの治療)
| 薬剤名 | 効果 | 主な副作用 |
|---|---|---|
| ミノキシジル内服 | 血管拡張作用で頭皮の血流を促進し、毛包を活性化 | 初期脱毛、多毛症、動悸、むくみなど |

当院では、患者様の症状や体質に合わせて「守り」と「攻め」の薬を組み合わせた治療プランをご提案しています。
副作用が心配な方も多いですが、低用量から始めて様子を見ながら調整できますので、まずはご相談ください。
外用薬による治療

ミノキシジル配合の外用薬は、頭皮に直接塗布することで毛包に作用し、発毛を促す治療薬です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 効果 | 血管拡張作用で頭皮の血行を促進し、毛包を活性化 |
| 適応 | びまん性脱毛症、FAGA、円形脱毛症など |
| 主な副作用 | 頭皮のかゆみ・かぶれ、初期脱毛、多毛症など |
ミノキシジル外用薬は、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」において、女性型脱毛症の治療として推奨度A(行うよう強く勧める)に位置づけられています。
女性用の製品は男性用より濃度が低く設定されているため、必ず女性向け製品を使用してください。
注入治療

内服薬や外用薬だけでは効果が不十分な場合や、より早く発毛を実感したい場合には、注入治療が選択肢になります。
| 治療法 | 特徴 | 施術回数の目安 |
|---|---|---|
| メソセラピー | ミノキシジルや成長因子、ビタミンなどを頭皮に直接注入 | 6〜12回程度 |
| HARG療法 | 幹細胞由来の成長因子で毛母細胞を活性化し、発毛を促進 | 6〜10回程度 |
メソセラピーは注入する成分がクリニックによって異なります。一方、HARG療法は「日本医療毛髪再生研究会」が認定したクリニックでのみ受けられる治療法です。
どちらも注射器やメソガンなどの医療機器を使用して頭皮に直接成分を届けるため、内服・外用薬より即効性が期待できます。
注入治療で起こりうる副作用
- 施術部位の赤み・腫れ
- 内出血
- 一時的な痛みや不快感

注入治療は「早く結果を出したい」という方に向いています。
内服薬や外用薬と併用することで相乗効果が期待でき、治療期間の短縮につながるケースもあります。
治療効果が現れるまでの期間と継続の重要性
治療効果を実感するまでには一定の期間が必要であり、継続することが改善への鍵となります。
効果が現れるまでの目安
| 治療法 | 効果を実感し始める時期 | 明確な変化を感じる時期 |
|---|---|---|
| 内服薬 | 3〜4ヶ月頃 | 6ヶ月〜1年 |
| 外用薬 | 3〜4ヶ月頃 | 6ヶ月〜1年 |
| 注入治療 | 2〜3ヶ月頃 | 4〜6ヶ月 |
髪の毛には「成長期→退行期→休止期」というヘアサイクルがあり、新しい髪が生えて成長するまでには時間がかかります。治療を始めてすぐに効果が出るわけではないため、焦らず継続することが大切です。
初期脱毛について
治療を開始してから1〜2ヶ月の間に、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。
これは、休止期にあった古い髪の毛が新しい髪に押し出されることで起こる現象です。治療が効果的に働いている証拠でもあるため、驚いて治療を中断しないようにしましょう。
初期脱毛は通常2〜4週間程度で落ち着き、その後に新しい髪の成長が始まります。

初期脱毛を経験すると「逆に悪化したのでは」と不安になる方がいらっしゃいますが、これは新しい髪が生える準備が整ったサインです。
この時期に治療をやめてしまうのはもったいないので、不安な場合は遠慮なくご相談ください。
継続が重要な理由
びまん性脱毛症の治療では、効果が出た後も継続的なケアが必要です。
| ポイント | 詳細 |
|---|---|
| 治療中断のリスク | 治療を中断すると、改善した状態が維持できず元に戻る可能性がある |
| 維持治療の必要性 | 効果が安定した後も、状態を維持するための治療を続けることが推奨される |
| 定期的な経過観察 | 症状の変化に応じて治療内容を調整することで、より良い結果が得られる |
薄毛治療は「一度改善したら終わり」ではなく、長期的な視点で取り組むことが大切です。当院では、患者様の状態に合わせて治療計画を調整しながら、継続的にサポートしています。
自宅でできるセルフケアと予防法
セルフケアは薄毛の予防や頭皮環境を整えるために有効ですが、すでに進行した薄毛を改善する効果は限定的です。
その理由は、びまん性脱毛症の多くがホルモンバランスの変化や毛根機能の低下といった体内の問題が原因であり、外側からのケアだけでは根本的な改善が難しいためです。

治療と併用することで効果を高めたり、予防として取り入れることには意味があります。「セルフケアで様子を見る」よりも、早めに専門の医療機関へ相談することをおすすめします。
以下は、治療の補助や予防として取り入れたいポイントです。
| セルフケア | ポイント |
|---|---|
| 食事 | タンパク質・鉄分・亜鉛を意識して摂る。極端なダイエットは避ける |
| 睡眠 | 6〜7時間以上を確保し、深い眠りを意識する |
| シャンプー | 洗浄力の強すぎないものを選び、すすぎを十分に行う |
| 頭皮マッサージ | 1日3〜5分、指の腹で優しく揉む。血行促進が目的 |
| ストレス管理 | 適度な運動や趣味の時間でリフレッシュする |
これらのセルフケアは「薄毛を治す」ものではなく、「頭皮環境を整える」「治療効果をサポートする」ためのものと捉えてください。
びまん性脱毛症に関するよくある質問
びまん性脱毛症について、患者様からよくいただく質問にお答えします。
-
びまん性脱毛症は何科を受診すればいい?
-
皮膚科または薄毛治療専門のクリニックを受診してください。
一般の皮膚科でも診察は可能ですが、女性の薄毛治療に特化した専門クリニックの方が、治療の選択肢が豊富で、経験に基づいたアドバイスを受けられます。
当院のような女性専門のクリニックであれば、男性患者様の目を気にせず相談できるというメリットもあります。
-
市販の育毛剤で改善できる?
-
市販の育毛剤に「発毛効果」はありません。
育毛剤は頭皮環境を整えたり、髪にハリやコシを与えることを目的とした製品です。すでに薄毛が進行している場合、育毛剤だけで改善することは難しいでしょう。
発毛効果が認められているのは、医薬品として承認されている「ミノキシジル」配合の外用薬です。
-
治療費用の目安は?
-
治療内容によって異なりますが、月額5,000円〜40,000円程度が目安です。
治療法 費用の目安(月額) 内服薬のみ 5,000円〜15,000円 内服薬+外用薬 10,000円〜40,000円 注入治療(1回あたり) 20,000円〜100,000円 ※費用はクリニックや治療内容によって異なります。
※薄毛治療は自由診療のため、保険適用外です。当院では、患者様のご予算やご希望に合わせた治療プランをご提案しています。まずは無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。
まとめ
びまん性脱毛症は、ホルモンバランスの変化や加齢、ストレス、栄養不足など複数の原因が重なって発症します。進行が緩やかで気づきにくいですが、放置すると改善に時間がかかります。
産後脱毛など一時的なものは自然回復が期待できますが、FAGAなど進行性の薄毛には専門的な治療が必要です。セルフケアだけで改善することは難しいため、気になる症状があれば早めに専門クリニックへご相談ください。
早期に対策を始めるほど、治療の選択肢が広がり、改善の可能性も高まります。
【国内未承認治療に関する情報提供】
一部の薄毛治療は、日本国内では未承認ですが、自由診療として受けていただくことが可能です。
1. 本治療は国内未承認です 「ミノキシジル内服薬」「メソセラピー」「HARG療法」「スピロノラクトン」「パントガール」は、日本国内において医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく承認を受けていません。
2. 入手経路について 当院では、海外の医薬品販売業者やメーカーから、正規の流通ルートを通じて医薬品・治療材料を輸入し、適切な管理のもとで患者様に提供しています。
3. 国内の同等の承認治療の有無
- ミノキシジル内服薬:日本国内では、ミノキシジル外用薬(リアップ®など)が承認されていますが、内服薬は未承認です。
- メソセラピー・HARG療法:日本国内で承認された同等の治療法は存在しません。
- スピロノラクトン:日本国内では「抗高血圧薬」「利尿薬」として承認されていますが、薄毛治療目的での使用は未承認です。
- パントガール:日本国内では承認されておらず、同等の承認治療薬もありません。
4. 安全性・有効性の評価状況 本治療は、日本国内での安全性・有効性が確立されておらず、公的な評価を受けておりません。そのため、副作用やリスクについて十分にご理解いただいた上で、治療を受けていただく必要があります。
5. 諸外国での使用状況
- ミノキシジル内服薬:米国、欧州などの一部の国では、医師の処方により使用されています。
- メソセラピー・HARG療法:一部の国において美容医療・薄毛治療の分野で施術が行われています。
- スピロノラクトン:米国などでは、女性の薄毛治療に対して医師の処方により使用されることがあります。
- パントガール:ドイツをはじめとする一部の国で「女性の薄毛(びまん性脱毛症)のためのサプリメント」として販売されています。
6. 医薬品副作用被害救済制度
日本国内において未承認の医薬品・治療法は、厚生労働省の「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはなりません。
⚠ 注意事項
- 本治療は自由診療(自費診療)であり、健康保険の適用はありません。
- 効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。









