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女性ホルモンの乱れが引き起こす薄毛の症状と改善方法

女性ホルモンと薄毛の関係 乱れる原因は?医師が解説

執筆者

清水弘太郎

院長

清水弘太郎

「神奈川・湘南・鎌倉・藤沢・横浜の女性薄毛(FAGA)はルートへ」

略歴

三重大学 医学部医学科卒業
桑名市総合医療センター 初期臨床研修 修了
三重大学病院 さいたま市立病院 形成外科 勤務
大手AGAクリニックA 勤務
大手AGAクリニックB 勤務

専門医・所属学会

日本毛髪科学協会 毛髪診断士
厚生労働省 麻酔科標榜医
日本形成外科学会 正会員

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女性ホルモンと薄毛の関係性とは

エストロゲンとプロゲステロンの役割

女性ホルモンには主にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、これらが髪の健康維持に重要な役割を果たしています。エストロゲンは髪の成長期を長く保ち、髪を太く丈夫にする働きがあります。

一方、プロゲステロンは脱毛の原因となる男性ホルモンの一種、ジヒドロテストステロン(DHT)の作用を抑制することで、抜け毛を防ぐ役割を担っていると考えられています 。

これらのホルモンが十分に分泌されている20〜30代前半までは、髪は健康で豊かな状態を保てます。しかし、30代後半から徐々にエストロゲンの分泌量が減少し始め、更年期を迎える40代後半になると急激に低下します。

この変化により、髪の成長期が短くなり、新しい髪が生えにくくなるため、薄毛や抜け毛が目立つようになるのです。

ヘアサイクルへの影響

髪は「成長期(3〜7年)」「退行期(2〜3週間)」「休止期(3〜4ヶ月)」という一定のサイクルを繰り返して生え変わっています。健康な状態では、髪全体の約90%が成長期にあり、太く長い髪を維持できています。しかし、女性ホルモンの分泌が減少すると、このヘアサイクルに異常が生じます。

毛周期

具体的には、エストロゲンの減少により成長期が短くなり、髪が十分に成長する前に抜け落ちてしまいます。また、休止期が長くなることで、新しい髪が生えてくるまでの期間が延長し、全体的な髪の本数が減少します。さらに、生えてくる髪自体も細く弱くなるため、ボリューム不足や地肌の透け感といった症状が現れるのです。

このようなメカニズムを理解することで、なぜ女性ホルモンのケアが薄毛改善に重要なのかがお分かりいただけるでしょう。

女性ホルモンが乱れる5つの主要原因

女性ホルモンが乱れる原因は主に5つあります。

  1. 加齢・更年期によるホルモン分泌の減少
  2. 出産前後のホルモン変動
  3. 過度なストレスと睡眠不足
  4. 無理なダイエットや栄養不足
  5. 生活習慣の乱れ

加齢による自然なホルモン分泌の減少

年齢を重ねることで起こる自然なホルモン減少は、女性の薄毛において最も一般的な原因です。エストロゲンの分泌量は30代前半をピークに徐々に減少し始め、40代後半の更年期になると急激に低下します。この変化は個人差がありますが、ほぼすべての女性に起こる生理的な現象です。

年齢によるエストロゲンの変化

とくに更年期(一般的に45〜55歳頃)は、エストロゲンの分泌が急激に減少する時期であり、女性の薄毛が最も顕著に現れやすい時期です。この時期のエストロゲン減少は、卵巣機能の低下によるもので、髪だけでなく全身にさまざまな影響を与えます。

当院でも、更年期を迎えた多くの女性患者様が髪の変化についてご相談にいらっしゃいます。

更年期による薄毛の特徴は、頭頂部を中心とした広範囲にわたる髪の減少です。男性のように特定の部位が極端に薄くなるのではなく、全体的に髪が細くなり、密度が低下することが多いのが特徴です。この自然な変化を完全に止めることはできませんが、適切なケアや治療により進行を遅らせたり、症状を軽減したりすることは十分可能です。

出産前後のホルモン変動

妊娠中はエストロゲンが大幅に増加し、髪の成長期が延長されるため、妊娠中は髪が抜けにくくなり、ボリュームが増すことが多くあります。しかし、出産後にはエストロゲンが急激に正常レベルまで戻るため、妊娠中に抜けなかった髪が一気に休止期に移行し、大量の抜け毛が生じることがあります

この産後の抜け毛は「産後脱毛症」や「分娩後脱毛症」と呼ばれ、出産後2〜3ヶ月頃から始まり、産後6ヶ月〜1年程度続くのが一般的です。多くの場合、ホルモンバランスが安定する1年以内に自然回復しますが、授乳期間の延長や睡眠不足、ストレスなどにより回復が遅れることもあります。

産後の薄毛で重要なのは、一時的な現象であることを理解し、過度に心配しないことです。ただし、産後6ヶ月程度を過ぎても改善の兆しが見られない場合や、抜け毛が異常に多いと感じる場合は、医師への相談をおすすめします。

過度なストレスと睡眠不足

現代女性の多くが抱える慢性的なストレスと睡眠不足は、女性ホルモンのバランスを大きく乱す要因となります。ストレスを受けると副腎からコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌され、このコルチゾールがエストロゲンの生成を阻害し、ホルモンバランスを崩します。

睡眠不足も同様に深刻な影響を与えます。成長ホルモンは主に夜間の深い睡眠中に分泌されるため、質の悪い睡眠や睡眠不足の状態が続くと、髪の成長に必要なホルモンの分泌が不十分になります。また、睡眠不足自体がストレスとなり、悪循環を生み出すことも少なくありません。

無理なダイエットや栄養不足

過度なカロリー制限や偏った食事制限は、女性ホルモンの生成に必要な栄養素が不足し、ホルモンバランスの乱れを引き起こします。特に、急激な体重減少(月に体重の5%以上の減少)は、身体が飢餓状態と判断し、生殖機能を抑制するため、エストロゲンの分泌が大幅に減少します。

髪の成長に必要な栄養素には、タンパク質、鉄分、亜鉛、ビタミンB群、ビタミンDなどがあります。これらの栄養素が不足すると、髪の成長が阻害されるだけでなく、女性ホルモンの合成も妨げられます。特に鉄分不足は女性に多く、髪の健康に直接的な影響を与えるため注意が必要です。

生活習慣の乱れ

不規則な生活リズムや偏った生活習慣は、体内時計を乱し、ホルモンの分泌リズムに悪影響を与えます。女性ホルモンは一定のリズムで分泌されるため、就寝時間や食事時間がバラバラだと、ホルモンバランスが崩れやすくなります。

特に影響が大きいのは、夜勤や交代勤務による生活リズムの乱れです。また、朝食を抜く、深夜の食事、過度の飲酒、喫煙なども女性ホルモンの分泌を阻害する要因となります。

女性ホルモンバランスを整える4つの生活改善法

女性ホルモンの乱れによる薄毛を改善するためには、まず生活習慣の見直しから始めることが重要です。

  1. 栄養バランスの取れた食事を心がける
  2. 質の良い睡眠を確保する
  3. 適度な運動を継続する
  4. ストレス管理とリラクゼーション

3〜6ヶ月の継続により効果を実感される方が多いため、まずはできることから始めてみましょう。

栄養バランスの取れた食事を心がける

女性ホルモンの生成と髪の健康維持には、良質なタンパク質と必須栄養素の摂取が不可欠です。髪の主成分であるケラチンはタンパク質から作られるため、毎食しっかりと摂取することが重要です。1日のタンパク質摂取量は体重1kgあたり1.0〜1.2gを目安とし、動物性と植物性をバランスよく組み合わせましょう。

髪の健康に重要な栄養素と食材

栄養素働き主な食材1日の目安量
タンパク質髪の主成分ケラチンの材料肉類、魚類、卵、大豆製品体重1kgあたり1.0〜1.2g
大豆イソフラボンホルモンバランスをサポートする豆腐、納豆、豆乳1〜2品
鉄分髪の成長促進、酸素運搬レバー、ほうれん草、赤身肉成人女性10.5mg
亜鉛毛母細胞の活性化カキ、ナッツ類、牛肉成人女性8mg
ビタミンB群髪の成長サポート玄米、魚類、豚肉バランスよく摂取

食事の際は、血糖値の急激な上昇を避けるため、野菜から食べ始める「ベジファースト」を実践することも効果的です。これにより、ホルモンバランスを乱すインスリンの過剰分泌を抑制し、安定したホルモン環境を維持できます。

質の良い睡眠を確保する

質の高い睡眠は、女性ホルモンの分泌と髪の成長に直接的な影響を与えます。成長ホルモンは入眠後の深いノンレム睡眠時に最も多く分泌されるため、睡眠の質を高めることが重要です。また、睡眠中に分泌されるメラトニンは、エストロゲンの分泌を調整する重要な役割を果たします。

良質な睡眠を確保するための具体的な方法として、就寝2時間前からはスマートフォンやパソコンの使用を控え、ブルーライトの影響を避けることが重要です。代わりに、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、軽いストレッチや読書を行ったりして、副交感神経を優位にする活動を取り入れましょう。

適度な運動を継続する

週3回以上の有酸素運動は、血行促進とストレス軽減を通じて女性ホルモンのバランス改善に効果的です。ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、血流を改善し、髪の成長に必要な栄養素と酸素の供給を促進します。運動強度は息が少し弾む程度(心拍数120〜140回/分)を目安とし、30分程度継続することが理想的です。

また、ヨガやピラティスなどのリラクゼーション効果の高い運動も、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、女性ホルモンのバランス改善に役立ちます。これらの運動は自律神経を整える効果もあるため、睡眠の質向上にもつながります。

運動を継続するためには、自分の体力レベルに合った無理のない範囲から始めることが重要です。

いきなり激しい運動をするのではなく、毎日10分の散歩から始めて、徐々に運動時間や強度を増やしていくことで、習慣化しやすくなります。運動後は適切な水分補給と栄養摂取を心がけ、疲労回復を促進しましょう。

ストレス管理とリラクゼーション

現代女性の多くが抱える慢性的なストレスは、コルチゾールの過剰分泌を引き起こし、エストロゲンの生成を阻害します。効果的なストレス管理には、まず自分のストレス要因を特定し、対処法を見つけることが重要です。仕事、人間関係、家庭環境など、ストレスの原因を明確にし、解決可能なものから順番に取り組んでいきましょう。

深呼吸法や瞑想は、即効性のあるストレス軽減方法として推奨されています。1日10分程度の瞑想を継続することで、ストレスホルモンの分泌が抑制され、女性ホルモンのバランス改善につながります。

また、趣味や好きな活動に時間を割くことも重要です。音楽鑑賞、読書、絵画、ガーデニングなど、自分が心から楽しめる活動を定期的に行うことで、ストレス耐性を高めることができます。友人や家族との良好な関係維持も、ストレス軽減と女性ホルモンのバランス改善に大きく貢献します。

専門クリニックでの薄毛治療の選択肢

薄毛の症状が気になり始めたら、早めに専門クリニックにご相談いただくことをおすすめします。医師による適切な診断のもと、個人の症状や体質に応じた治療法を選択することで、より効果的な薄毛改善が期待できます。

ミノキシジルによる治療(内服薬・外用薬)

ミノキシジル

ミノキシジル外用薬(塗り薬)

ミノキシジル外用薬は、女性の薄毛治療において最も推奨される治療選択肢の一つです。日本皮膚科学会のガイドラインでも高い評価を受けており、世界中で女性の薄毛治療に使用されている標準的な治療薬です。

頭皮に直接塗布することで、その部位の血流を改善し、毛根に栄養を供給することで発毛を促進します。女性には男性よりも低い濃度(1~2%)が推奨されており、これは過去の研究で女性には低濃度でも十分な効果が得られることが確認されているためです。

起こりうる副作用:湿疹、初期脱毛、動悸、頭痛、多毛症、むくみなど

ミノキシジル内服薬

ミノキシジルは、米国のファルマシア・アップジョン社が1960年代に開発した、高血圧症患者向けの血圧降下剤です。しかし臨床実験中に多毛症の副作用が報告されたため、薄毛治療用に転用されました。

内服薬は外用薬よりも高い効果が期待できますが、全身への作用があるため、医師の厳重な管理のもとで使用する必要があります。

当院では1.25mg、5mg量の取り扱いがあり、患者様の症状や希望に合わせて処方いたします。

起こりうる副作用:初期脱毛、多毛症、動悸、頭痛、むくみなど

スピロノラクトンによるホルモン調整治療

スピロノラクトン

スピロノラクトンは、更年期女性に特に有効な治療薬です。

女性ホルモンの低下により相対的に濃くなった男性ホルモンを抑制し、ヘアサイクルの正常化を図ることで抜け毛の予防が期待できます。これらの薬剤には副作用の可能性もあるため、定期的な血液検査や医師による経過観察が必要です。

薄毛治療専用サプリメント

サプリメント

当院では、髪の成長に必要な栄養素を効率的に補給できる薬用サプリメントを取り扱っています。

パントガール

  • パントテン酸カルシウム、ビタミンB1、L-シスチン、ケラチンなどを配合
  • 髪の構造タンパク質の合成をサポート

起こりうる副作用:胸焼け、腹痛、下痢など

ルグゼバイブ

  • パントガールの成分に加え、馬プラセンタを配合
  • より高い栄養補給効果が期待できる

起こりうる副作用:胸焼け、腹痛、下痢など

女髪

  • 日本人女性向けに開発された薬用サプリメント
  • ミレットエキス、亜鉛、ビオチンなど髪に特化した栄養素を配合

起こりうる副作用:胸焼け、腹痛、下痢など

メソセラピー(成長因子・幹細胞培養上清液注入)

メソセラピー

メソセラピー(メソガン)は極細の針を一定の深さとスピードで刺入することで痛みを軽減しながら皮膚内に直接薬剤を注入できる治療法です。

当院では、症状に合わせてミノキシジル・成長因子・ヒト幹細胞培養上清液・エクソソームを組み合わせ、お薬を頭皮に直接注入し発毛を促進させます。1ヶ月に1回頭皮に注入します。

当院の幹細胞培養上清液は東京幹細胞センターの高品質なものを使用しています。

起こりうる副作用:頭皮の発赤、疼痛、初期脱毛、多毛症、動悸、頭痛、むくみ、アレルギー症状など

毛髪再生点滴

毛髪再生点滴

肌の若返りなどの美容医療でも用いられている、ヒト幹細胞培養上清液・エクソソームの点滴を行うことで、美容と薄毛治療の両方を行うことができます。

起こりうる副作用:免疫反応やアレルギー症状など

よくある質問と回答

女性ホルモンの薄毛はどのくらいで改善しますか?

改善までの期間は原因と治療方法により異なります。生活習慣の改善では3〜6ヶ月、外用薬治療では4〜6ヶ月、内服薬治療では3〜6ヶ月で効果を実感される方が多くいらっしゃいます。

更年期の薄毛は治りますか?

更年期による薄毛は、適切な治療により改善が期待できます。専門的な薄毛治療を組み合わせることで、多くの方で症状の改善が見られます。ただし、完全な回復は困難な場合もあるため、早期の治療開始が重要です。

妊娠中・授乳中でもできる薄毛対策はありますか?

妊娠中・授乳中は薬物治療に制限がありますが、栄養バランスの改善、適度な運動、ストレス管理、頭皮マッサージなどのセルフケアは安全に行えます。産後の薄毛は多くの場合自然回復するため、過度に心配する必要はありません。

まとめ

女性ホルモンの乱れによる薄毛は、適切な知識と対策により改善が期待できる症状です。エストロゲンとプロゲステロンの減少がヘアサイクルに影響を与えることを理解し、年齢や生活環境に応じた対策を講じることが重要です。

当院では、女性ホルモンの乱れによる薄毛に特化した専門治療を提供しております。内服薬、外用薬、メソセラピーなどの医学的治療により、個人の症状や体質に応じた最適な治療プランをご提案いたします。

薄毛の症状が気になり始めたら、一人で悩まずにお早めに当院にご相談ください。経験豊富な医師が、あなたの髪の悩みに寄り添い、健康で美しい髪を取り戻すためのサポートをいたします。

【注意事項】

  • 本ページで紹介している治療は自由診療(自費診療)であり、健康保険の適用はありません。
  • 「ミノキシジル内服薬」「メソセラピー」「HARG療法」「スピロノラクトン」「パントガール」は、日本国内において医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく承認を受けていません。
  • 日本国内において未承認の医薬品・治療法は、厚生労働省の「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはなりません。
  • 効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。